日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

世界は地球温暖化対策に向き合ったが!

2020年12月12日 09時38分15秒 | 日々雑感
 バイデン新大統領の政権移行チームは11月23日、気候変動に関する特別大統領特使として、ケリー元国務長官を充てる閣僚人事を発表した。新大統領はトランプ大統領が離脱したパリ協定への復帰を目指しており、ケリー氏はオバマ前政権時代に国務長官を務め、米国の代表としてパリ協定に署名した人物で、米国も本気で温暖化対策に乗り出すようだ。

 温暖化効果ガスの排出量世界第1位の中国の習近平国家主席も、先月22日の国連総会で、”2060年までに温室効果ガス実質ゼロ”宣言をした。温暖化効果ガスの世界第1位と第2位の中国と米国が宣言したからには日本も黙っている訳にはいかない。

 菅首相は今年10月26日の臨時国会で初の所信表明演説を行い、その中で温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロとする目標を宣言した。日本は米国に先んじて温暖化対策の本格化を宣言したが、温暖化対策の必要性を切実に感じたからと言うより、世界の潮流に乗り遅れまいとする考えからであろう。

 しかし、この2050年ゼロという目標に対して、技術的、経済的な実現可能性は極めて低い。それでも2050年ゼロと言わないと環境に後ろ向きだと世界から非難されるようになったため、実現可能性の検討が全く無いまま、日本も宣言せざるを得なくなった訳である。但し、ゼロを達成する具体的な計画を持ち合わせていないのは日本だけではなくどの国も同じである。

 さて、地球温暖化対策を目的とするパリ協定において例え約束が達成されなくても罰則が無いのだ。目標達成に努力したが諸般の都合により達成できなかったとの言い訳が通用するのだ。中国の2060年ゼロ計画も40年後とだいぶ先のことと言え実現は不可能のように思えるが、言い訳を既に考えているだろう。

 CO2を代表とする地球温暖化効果ガスを排出する要因は人間が生活するすべての領域に広がっている。一番大きいのは電気エネルギーを作り出すエネルギー転換部門であろう。日本の電気エネルギーの約8割が化石燃料から作り出されているのだ。

 電気エネルギーは生活に必須であり、化石燃料に代えて原子力エネルギーや太陽光発電等の自然エネルギーに替える必要がある。更に製鉄などの産業部門、自動車等の運輸部門、一般家庭が関係する民生部門等でそれぞれブレークスルーが必要であり、ゼロ化計画は多難を極める。必要は発明の母を信ずるしかない。

 しかし、地球温暖化の進行は待ったなしで、人類の英知を集めて対策する必要がある。菅首相は12月4日、脱炭素に向けた研究・開発を支援する2兆円の基金創設を表明した。温暖化ガスの実質ゼロ化を実現する新技術の開発を官民挙げて推進する計画のようだ。

 我が国の経団連も、政府が目指す50年までの温室効果ガスの実質ゼロ排出への革新技術の開発・普及に産学官の総力を挙げるべきと指摘しており、日本の総力を挙げて取り組む雰囲気となっている。しかし、例えば電気エネルギーの蓄積技術のブレークスルーは10年以上前から期待されているが、リチウムイオン電池の一桁上の性能の電池実現の声は未だ聴かれない。それだけ困難と言う訳だ。2020.12.12(犬賀 大好ー660)


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