10月10日。昼。
訃報は、静内署からだった。
死んでから見つかった遺体は、警察の管轄になる。死因が事故なのか、事件なのかを調べなければならないからだ。家庭内で死んだ場合も、たとえば脳梗塞化などで死亡した家族を発見した場合でも、警察の管轄になることは多い。
まして、弟は、単身者だったし、自宅以外での死亡が確認されていた。警察からの電話は、身元確認の捜査でもあった。弟との関係とか、近況なども聞かれた。携帯電話の記録から、電話をしていると云われた。兄だと云うことを告げて、状況を聞いたが、詳しいことは、捜査中なので話せないし、遺体の身元も、弟と思われるが、断定はできない、という話だった。警察からの問い合わせには、分かる範囲で答えたが、今後のことは、どうにもできない。
夕方に、もう一度、電話がある。死亡の状況などは、説明してくれたが、まだ捜査中とのことだった。
連れ合いと、私が、一切を負うしかないだろう、ということを話し合い、兄弟たちに、連絡する。
しかし、具体的には、警察の捜査が終わり、遺体の引き取りを要請されてからだ。それまでは、なにも手が着かないが、気持ちと、頭の準備をしておこう。何をしなければならないかを、頭の中で、整理しながらの、仮通夜のお酒だった。