娘の作ってくれた、アカシの家。作ってもらってよかったのはアカシだけでない。これがなければ、アカシは、しばらくは、スキマネコとして、あちこちの隙間をねぐらとし、ほこりにまみれただろう。とにかく、私には馴れない。
こんな感じで、家の中から、不信感一杯の目で私を追い、、のぞき込むとさらに奥に引きこもる。
だけど、昨日の夜は、娘と別れたさみしさは、連れ合いにたっぷりとはらしたそうだ。連れ合いの腕を枕に休んだという。しかし、眠りはせずに、夜遊びをしまくり、夜泣きを続け、起きてきた連れ合いは、寝不足だ―、とこぼした。それはそうだ。昼間は、アカシの家の奥にこもり、ひたすら眠っていたのだ。
じじいが、酔っぱらって寝室に行ったから、さあ、これでアカシの世だと、一晩中、騒ぎまくったのだろう。連れ合いが、トイレに行く夜中、追ってきて、の鳴き声を聞いた。そうだ、声は大きい。前の、ナナやソラは、か細い声だったから、アカシの、硬い大きな声は、特に感じる。
まあ、おいおいと手なずけてゆこう。