ハイウェイを走る
黄昏時西空に陽は落ちて
まるで夜空へ続く滑走路みたいに
いつのまにか流星のひとつになったように
フェンダーローヅの音色が
子どもじみた白昼のおしゃべりを
大人の時間に誘い込む
東京ローズの息子がいっとき住んでいたとかいう港の街へ
ハーバーライトが微風のなかできらめく街へ
すべての思い出を思い出して
あなたをもういちど
わたしのライフへ掠め盗る
ボズ
今でもギターを弾いて
透きとおった張りのある甘い声で歌っているかい?
助手席の女を口説かないのに口説く
みたいに
前を行く車のテールランプを追いかけていくと
いつのまにか
夜空へ続く架空のハイウェイを滑らかに滑って
流星になって
深い闇の中に落ち込んで
燃え尽きる
燃え尽きることなく
彗星になって
永劫の楕円軌道を廻り続ける
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます