ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

みやぎミュージックフェスタ2008イン気仙沼 海によせて その5

2010-03-29 20:18:31 | 寓話集まで
海の碧と空の蒼 暗転その1

紳士
♪青葉茂れる桜井の…

婦人
♪里のわたりの夕まぐれ…

語り
 仙台藩伊達家御一家筆頭鮎貝家に生まれた落合直文は、明治以降の近代短歌の源流に位置するといわれる歌人、詩人、国文学者。

紳士
―この歌は、楠正成を歌った直文の名作で、以前は、ラジオ、テレビでも、時々聴く機会があったものだが…

婦人
―最近は、とんと聴くこともないですねえ。

紳士
―「緋縅(ひおどし)のよろひをつけて太刀(たち)はきて見ばやとぞおもふ山桜花」の歌は、一高、と言っても、仙台一高じゃなくて、今の、東大教養学部のほうの旧制一高だが、その学生たちが、高らかに放吟し、「緋縅の直文」ともてはやしたという。

婦人
―「砂の上にわが恋人の名をかけば波のよせきてかげもとどめず」の歌は、弟子の与謝野鉄幹(よさのてっかん)が主宰する、あの「明星(みょうじょう)」創刊号に寄稿した作品で、「恋人」という言葉を、明治以降の短歌では、はじめて使った用例とされています。

紳士
―江戸時代には、遊郭の言葉だったというな。

婦人
―鉄幹の弟子で、妻となったのが、「乱れ髪」の与謝野晶子。「やは肌のあつき血潮に触れも見でさびしからずや道を説く君」…(感動)

紳士
―詩人といえば、水上不二を忘れちゃいけない。

語り
 水上不二は、気仙沼大島出身の詩人・児童文学者。

婦人
―海はいのちのみなもと

紳士
―波はいのちのかがやき

三人
―大島よ

語り
 永遠にみどりの真珠であれ」


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