ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

夢の波止場

2010-03-11 21:05:34 | 寓話集まで

夢は
どこかにある
ここではないどこか
波止場は
どこかにある
夜霧のなか黒い影がうずくまる

古い詩集の一行か
昔の映画のワン・シーンに

鳥が飛ぶ鳥が飛ばない
鳥が飛ぼうとする
夢中で
夢の中で
その鳥は
カモメ
マストのうえに羽を休めるカモメ

江戸の昔の
江戸の港へ
西北のナライの風待ちの
帆掛け船の

昭和の
戦前の
まちを焼く大火の後の
建築の

昭和の
戦後の
安ホテルの
どこにも無い国の

夢の波止場に
燐寸を擦り火を灯して


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