ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード Billboard All American Top40 1988年10月29日付 フィル・コリンズ Phil Collins - A Groovy Kind Of Love

2024-10-27 20:00:00 | 1988年ビルボードTop40
1988年ビルボード Billboard All American Top40、1988年10月29日付、2週目の1位はPhil Collinsの"A Groovy Kind Of Love"。映画『Buster 』挿入歌。Phil Collinsですが、ご存じ、Genesisのドラマー兼ボーカルであり、ソロでも大ヒットを連発、ソロではまず、1981年に"I Missed Again"が最高位19位を記録、このシングルを皮切りに、この曲までにTop40ヒットは計12曲、Top5ヒットは7曲目。"Against All Odds"、"Sussudio"、"One More Night"、"Separate Lives"に続き、この曲で5曲目のNo.1となりました。

2位は6位からジャンプアップ、The Beach Boysの"Kokomo"。映画『カクテル』の主題歌。The Beach Boysですが、60年代から活躍するアメリカカリフォルニアで結成されたロックバンド。60年代初めからTop40ヒットを連発、60年代に、"I Get Around"など、3曲のNo.1ヒットを持っています。Top3ヒットは、この曲で、No.1となった66年の"Good Vibrations" 以来22年ぶりとなりました。

3位は5位からアップ、The Escape Clubの"Wild, Wild West"。The Escape Clubですが、イギリスロンドンで結成されたポップ・ロックグループ。デビューは1986年、初めてのシングル"Wild, Wild West"が3位まで上がってきました。

4位は2位からダウン、1週間の1位を記録、UB40の"Red Red Wine"。UB40ですが、イギリス出身のレゲエ・ポップ・バンド。イギリスでは80年代初めからヒットを持つ人気バンドでしたが、アメリカでは、84年にこの曲"Red Red Wine"が最高位34位の初のTop40ヒット。88年のネルソン・マンデラ70歳コンサートに出演し、再びこの曲に火が付き初のNo.1を記録しました。

5位は3位からダウン、Information Societyの"What's on Your Mind (Pure Energy)"。Information Societyですが、アメリカのエレクトリックポップバンド。初のシングルヒットが3位を記録しました。

この週2週目の1位はPhil Collinsの"A Groovy Kind Of Love"。映画『Buster』挿入歌。1位はこの2週間、年間チャートは29位。年度の途中で年間チャートは低めになりましたが、1985年12月のMarilyn Martinとのデュエット曲"Separate Lives (Theme From White Nights)" 以来、3年ぶりソロで5曲目のNo.1となりました。"Separate Lives (Theme From White Nights)" についてはこちらをご覧ください→→→

Phil Collinsですが、イギリスのプログレッシブ・ロック バンドのドラマー兼ボーカリスト。バンドの活動をつづけながらソロでも大ヒットを連発、特にこの80年代、世界一忙しいロックシンガーともいわれているほどの大活躍でした。

音楽活動を開始したのは1960年代、ジェネシスへの加入は1970年、初めはドラマーとしてジェネシスで活動していましたが、70年代半ばに、ジェネシスの中心メンバーでボーカリストのピーター・ガブリエルが脱退し、メインボーカルを務めるようになります。

Phil CollinsのTop40への登場は、1979年のGenesisの"Follow You Follow Me"が最高位23位を記録しました。

ソロでは、1981年に"In the Air Tonight"が最高位19位を記録、このヒットから、この曲までにTop40ヒットは計12曲目。Top10以内が9曲、そのうち、まずは映画のサントラから"Against All Odds (Take a Look at Me Now)"が初めてのNo.1となり、"Sussudio"、"One More Night"、"Separate Lives"、前述のように、この曲でソロでの5曲目のNo.1、さらにこの後もしばらく人気の絶頂期が続きます。

この曲"A Groovy Kind Of Love"ですが、映画『Buster』のテーマ曲。映画『Buster』ですが、日本での映画名が『フィル・コリンズ in バスター』 となっているように、フィル・コリンズ初の主演映画です。

この映画、実際の列車強盗事件をもとにしたクライム・ロマンティックコメディ映画、だそうです。残念ながら私はこの映画見逃してしまいましたが、映画自体は賛否両論があったようですが、フィル・コリンズの演技は評判が良かったようです。

この曲"A Groovy Kind Of Love"ですが、曲の作者はToni WineとCarole Bayer Sagerの曲、ですが、クラシックのMuzio Clementiの「ソナチネ作品36第5番のロンド」のメロディに基づいて作られた曲です。

1965年、Diane & Annitaが初めて発表し、その後、多くのミュージシャンにカバーされ、The Mindbendersが、同じ1965年の末に、最高位2位を記録する大ヒットになっています。

Phil Collinsバージョンですが、元々はStephen Bishopの曲として考えていたようですが、映画のシーンに合っているということで、Phil Collinsバージョンをサントラの主題歌として大ヒットにつながりました。Stephen Bishopは"Separate Lives"の作者ですね。

The Mindbendersバージョンが軽快なポップなのに比べ、スローなバラードでしたが、イギリス、アメリカの両方でNo.1、世界中での大ヒット曲になりました。

こちらが1965年にビルボードで2位、キャッシュボックスでは1位となったThe Mindbenders バージョンです。

今週    先週    song    /    artist
1 1 GROOVY KIND OF LOVE / PHIL COLLINS
2 6 KOKOMO / THE BEACH BOYS
3 5 WILD, WILD WEST / THE ESCAPE CLUB
4 2 RED RED WINE / UB40
5 3 WHAT'S ON YOUR MIND(PURE ENERGY) / INFORMATION SOCIETY
6 7 DON'T YOU KNOW WHAT THE NIGHT CAN DO? / STEVE WINWOOD
7 10 THE LOCO-MOTION / KYLIE MINOGUE
8 11 NEVER TEAR US APART / INXS
9 12 ONE MOMENT IN TIME / WHITNEY HOUSTON
10 15 BAD MEDICINE / BON JOVI
11 8 DON'T BE CRUEL / BOBBY BROWN
12 16 CHAINS OF LOVE / ERASURE
13 4 LOVE BITES / DEF LEPPARD
14 18 DESIRE / U2
15 13 FOREVER YOUNG / ROD STEWART
16 20 ANOTHER LOVER / GIANT STEPS
17 22 HOW CAN I FALL? / BREATHE
18 14 TRUE LOVE / GLENN FREY
19 9 DON'T BE CRUEL / CHEAP TRICK
20 23 DON'T KNOW WHAT YOU GOT / CINDERELLA
21 26 BABY, I LOVE YOUR WAY / WILL TO POWER
22 28 KISSING A FOOL / GEORGE MICHAEL
23 29 LOOK AWAY / CHICAGO
24 17 DON'T WORRY BE HAPPY / BOBBY MCFERRIN
25 31 A WORD IN SPANISH / ELTON JOHN
26 27 TIME AND TIDE / BASIA
27 38 I DON'T WANT YOUR LOVE / DURAN DURAN
28 36 GIVING YOU THE BEST THAT I GOT / ANITA BAKER
29 33 WAITING FOR A STAR TO FALL / BOY MEETS GIRL
30 30 DANCE LITTLE SISTER / TERENCE TRENT D'ARBY
31 19 I'LL ALWAYS LOVE YOU / TAYLOR DAYNE
32 39 WALK ON WATER / EDDIE MONEY
33 40 THE PROMISE / WHEN IN ROME
34 25 PLEASE DON'T GO GIRL / NEW KIDS ON THE BLOCK
35 21 I HATE MYSELF FOR LOVING YOU / JOAN JETT & THE BLACKHEARTS
36 37 IT TAKES TWO / ROB BASE & D.J. E-Z ROCK
37 24 ONE GOOD WOMAN / PETER CETERA
38 42 DOWNTOWN LIFE / DARYL HALL & JOHN OATES
39 45 EDGE OF A BROKEN HEART / VIXEN
40 44 SMALL WORLD / HUEY LEWIS & THE NEWS

コメント (27)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ロッド・スチュワート Rod St... | トップ | バーシア Basia - Time and T... »
最新の画像もっと見る

27 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
勢いに乗って映画に (hannah)
2024-10-27 21:40:58
星船さん、こんばんは。
80年代きってのヒットメイカーP.Collinsが遂に映画に主演ですね。
過去にもThe BeatlesやB.Streisand、Oliviaも自らが出演した映画の曲を№1にしました。
今気付きましたが、彼のソロになってからのタイトルの独特のフォントは変わりませんね。
返信する
Unknown (太ったボンジョビ (  ・_・)ノ)
2024-10-27 22:46:46
10月は当時まともに休めたのは営業所のみんな1日で、あとは農家の機械の修理に追われておりましたが、この下旬になると1日4,5件の修理が1,2件になり、「ゆっくりヤれ」とも言われていて、やっと人並みの生活に戻る頃でした。
ですのでウィンさんの2曲目とソサイァティのみなさんの曲は全く存じませんです。
で、ヒルコリの曲も上位に来ていてもなかなかFENで認識できませんでしたが、ある夜の帰社中にかかるとさすがに一発でヒルコリだと分かりますよね☺️
ワンモーナイやセパレートライブズはどーもイケません、なのですがこのグルービーは疲れまくっていたからなのか効きましたです。ホッとする感じですかね?
そうですか、映画にも手を出していましたか、おまけに翌年のアルバムも自身の顔どアップは4回目❗なんという自己主張なのでしょうか🤧
マドンナの92年秋、アルバム「エロチカ」、写真集「SEX」、エロビデオ「ボディー」を思い出させますがあちらは需要がありますもんねえ……。
つらつらとごめんなさい😫
返信する
僕たちの恋ってグルーヴィー (音時)
2024-10-27 23:16:40
https://neverendingmusic.blog.jp/archives/42617887.html
この曲をしっとりバラードで歌ったフィル。邦題は「恋はごきげん」と付いていますが、そんなイメージじゃないよな…。「ごきげん」だと“グルーヴィーな感じ“とはちょっと違いますよね。
 やはり、イカした恋、素敵な恋、…いやいややっぱりニュアンスは“グルーヴィー”かな(^_^;)
返信する
世界で一番忙しいミュージシャン (星船)
2024-10-28 15:08:51
hannahさんこんにちは。
「世界で一番忙しいミュージシャン」というのも納得の、この頃のフィル・コリンズの大活躍でしたね。ついに映画会まで進出成功となった、No.1ヒットでした。
アルバムジャケットですが、そういえば独特の文字dした。それにプラス、フィル・コリンズの顔のドアップ、特徴的なジャケットでしたね。
返信する
地味な曲でも (星船)
2024-10-28 15:11:29
太ったボンジョビさんこんにちは。
この曲、「ホッとする曲」ではありました。地味なのでNo.1にはならないかとも思っていましたが、それでもこの頃のフィル・コリンズの大人気ぶり、やることすべて当たる、という感じでした。ジャケットの顔のアップは彼の自信から来るものでしょうかね?
返信する
この曲の静かなバラードの曲調とは (星船)
2024-10-28 15:16:17
音時さんこんにちは。
そうですか、邦題は「恋はごきげん」?でしたか。それは「?」な邦題ですね。「Groovy」というと、「素晴らしい」、とか「とっても良い」の俗語なのでしょうか。それでも、「ご機嫌」は、そもそも意味のまえに、この曲の静かなバラードの曲調とは全く合いませんね。
マインドベンダーズのボーカルが、その後の10ccのエリック・スチュワートだったとは、ビックリしました。
返信する
Unknown (太ったボンジョビ ( >д<)、;'.・)
2024-10-28 18:46:10
うーん10CC、実はアナーリンラブ1曲しか存じません。確かに普通では思いつかない壮大な荘厳な優しい曲に聞こえます。今週も上昇して1位になるあの人たちも、セカンドシングルはアナーリンラブのカバーで、あれもあれで「いいなあ~🐽」と思ったものでした。
とにかく学生の時には「オリジナルサントラ」という彼らのオリジナルアルバムを結構真面目に探ってはみたのですよ。しかしお店にもレンタル店にもなかったんですよ~😢
だからそのアルバムにどんな曲があるとか、アナーリンラブ以外のシングルは?とか、そもそもジャケ写も見るチャンスがなかったですよ~🥱
本日こちらで触発されてジャケ写をまず見ました❗うーんまーまー。凝ってはいるけど「へえ~」てなもんでした。
ではアルバム、ちょい聴きしてみますかね?40年来の空洞があって楽しみでありますな。
みなさんの教えや感想も聞いておきたく存じます。
あれ?ちなみに10CCのライバルはスティーリーダンとか違います?違うかやっぱり😫
返信する
様々な楽曲 (hannah)
2024-10-28 21:31:15
星船さん、こんばんは。
映画の挿入歌といえば♪Against All Odds♪や♪Separate Waves♪についでバラード系の楽曲ですね。
ソロアルバムの当初は、ズンドコズンドコのリズムとホーンセクションが特徴的でしたが、様々な楽曲になってきました。
返信する
Unknown (ダーク・ディスコ)
2024-10-28 21:57:57
ウイリー・ネルソンのalways on my mindがヒットしていた時、全米トップ40の放送でリスナーからの手紙に「この曲の途中に印象的な女性の声が聞こえるけど、あれは誰ですか?」という質問があって、湯川れい子さんは「うーん、わかりませんねぇ…」と答えていて、自分も気になっていたので「ふむふむ。湯川さんでもわからないことがあるのか。レコードには書いてないのかな?」と思ったことを何故か覚えていました。で、つい数年前に調べてみたらトニー・ワインという人でした。この曲のソングライターです。今の時代は何でも調べたらわかるものですね。(うーん、でもレコードにもクレジットがあったんですけどねぇ。湯川さん、手を抜いたかな?笑)
返信する
70年代に3曲のTop40ヒット (星船)
2024-10-28 21:58:16
太ったボンジョビさんこんばんは。
「アナーリンラブ」がなんだかわかりませんが、10㏄というと、70年代に3曲のTop40ヒットがありました。元々はプログレロックも入ったようなソフトなロックで、"I'm Not in Love"は幻想的なロックでした。一方で、"The Things We Do for Love"はかなりポップな曲で、この2曲が代表曲でしょうか。
返信する

コメントを投稿

1988年ビルボードTop40」カテゴリの最新記事