蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

「白」の意味

2018年01月09日 23時22分55秒 | 日記

今日は久方ぶりに稽古場予約へ。

いつもは劇団員や夢幻関係者が
予約をしてくれている。

皆さん、いつもありがとうm(__)m

が、今はケンジが不在。
彼は今、連日東京で「世界漂流」の
舞台稽古に参加している。

基本的に平日昼間、自由に動ける団員はいない。
で、私が稽古場予約に行くことに。

2つの公民館に行って2月の予約をするつもりだったが
一日だけ整備のため全館休館の日があり
別の公民館の予約状況を確認に回った。

何とか予定していた稽古場を全日をお借りできて、ホッ。

 自分たちの稽古場が欲しいなぁ・・・

 うーむ・・・今は我慢我慢・・・

機が熟すのを待つのだ(^-^;

それに長野市は環境に恵まれている。
公民館数は全国一位!
しかも無料!

長野市以外の市や町は
市民や町民に対する減免はあるが
無料という地域は殆どない。

有難いことです!

 

さて、劇団本公演「白とかげ」の稽古。

この「白とかげ」
普通に読むと「しろとかげ」
ですよね?

数人の方に

 それって有名なお芝居だよね?

と言われたが

 それってもしかして「黒蜥蜴(くろとかげ)」のこと?

「黒蜥蜴」は江戸川乱歩氏の小説で
後に三島由紀夫氏によって戯曲化され
美輪明宏さんの代表作となった。

一度観たいと思いながら観ていない舞台の一つ。

今年は世界的な英国演出家のデヴィッド・ルヴォー氏の演出で
東京の日生劇場と大阪の梅田芸術劇場で上演される。

なんでもルヴォー氏は『黒蜥蜴』に憧れ続けていたとか。

 

夢幻の劇団本公演タイトルは「白とかげ」

残念ながら「黒とかげ」ではありません(^-^;

 

そして「白」の意味は「せりふ」

あ、タイトルは「しろとかげ」と読んでいただいてOK♪

白い蜥蜴(とかげ)という意味ではなく
「せりふのかげ」という意味なのです。

わかりづらい!と思った方、ごめんなさいm(__)m

今回は、あえてミスリードを狙ってみました(^.^)

 

実は「白」という文字には
「話す」「申す」という意味が含まれています。

白がつく言葉の例をあげると・・・

 告白・自白・独白・敬白

ね?

どれも「話す」「申す」という意味の熟語。

私も岸田國士氏の【「せりふ」について】を読むまで
なぜ「告白」に「白」という文字が使われているのか・・・
と調べたことはあったような記憶があるが
すっかり忘却の彼方に飛んでました(汗)

せりふは「台詞」と記載してたし(^-^;

「せりふ」→役者がしゃべる言葉

因みに「せりふ」の熟語には
「台詞」「科白」の2種類がある。

科白は「かはく」とも読み元は中国語で
役者のせりふとしぐさの意味も含まれるという。

台詞は舞台詞(ぶたいことば)から来ているそうで
「せりふ」のみを指すとのこと。

『しぐさ』が含まれるか否かで使い分けるということか。

色々と調べていたら、別役実さんの見解について
掲載されているサイトを発見!

 別役実に教わる「台詞」と「科白」

この中で興味深かったのは
『新明解』第七版に掲載されていたという「せりふ」の意味

せりふ【(台詞)】
(一)俳優が舞台で劇中の人物として言う言葉。
(
ニ)【(科白)】結果として相手を傷つけたり不快感を与えたりするような言葉。

(二)の表現、面白いと思いませんか?
一瞬「なんのことやら・・・」と思うけど
一例として非常にわかりやすい!と私は思いました。

日本語って奥が深くて面白いね~

ご興味のある方は下記を読んでみてください。

 「せりふ」について/岸田國士

岸田氏はこう仰っている。

 「語られる言葉の美」に対して敏感になることが肝腎

日常会話を連ねるのが戯曲ではないというのはわかるが
「語られる言葉の美」はセンスと語彙力が問われる。

戯曲を執筆する自分自身と役者陣の成長を考え
今回、敢えて岸田戯曲に挑戦してみようと決意。

これまでの夢幻工房作品は
ほぼ全てが私の書下ろし。

それは何故か?

既成の戯曲を演出しようと考えた場合
キャストに制限があるから―

これに尽きる。

既成戯曲で面白い作品はたくさんあるし
上演してみたい本もあるが
今の環境ではなかなかそれが叶わない。

座付き作家として書き下ろしを執筆して早17年。

何作品を執筆したか自分でもわからないほど
次々と書いてきたが

 もっと素敵な台本を書けるようになりたい!

と常に模索・研究を続けている。

今回の本公演は、団員にとっても私にとっても
今後の演劇活動の分岐点になるかもしれない・・・

そんな思いで取り組んでます!(^^)!

書下ろし台本は、私が執筆しているので
どうしても上手くいかなければいくらでも修正できる。

が、既成戯曲はそうはいかない。

私も団員も、戯曲の背景や登場人物の心情を
徹底的に読み解く必要に迫られる。

3役を演じる劇団員はそれぞれ悩みつつ足掻いている模様。

彼らの変化が楽しみ~(笑)

私自身も科白と格闘して生み出そう
夢幻流の「白とかげ」を!

  

#演劇 #白 #せりふ #東京初公演 #岸田國士