蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

劇団観劇会☆

2018年01月13日 23時36分36秒 | 日記

今日は、団員全員で観劇会♪

観劇後のディスカッションは
自分の引き出しを増やす時間(^^)

これまでも2~3か月に一度ぐらいの割合で実施。

私が観たい作品を提案するときが多いが
団員から観劇希望の申し出があって
稽古日とかぶっている時、みんなで話し合って
希望者が多い場合、稽古の一環として観劇会を行う。

今回は、青年団を観劇。

「そのとき日本の演劇界が青年団を発見した」とも言われる劇団の出世作
2000 年 のリニューアル上演以来、16年ぶり待望の再演

という触れ込みの舞台だ。

青年団とは・・・

主宰は劇作家の平田オリザ氏。
現代口語演劇理論にそった演劇活動を展開し
1990年代以降、「静かな演劇」として
演劇界に大きな影響を与えた劇団。

私は青年団の舞台を映像でしか観たことがなかった。
以前から一度生の舞台を観たいと思っていたものの
機会に恵まれず20年以上が過ぎた。

平田オリザ氏のワークショップを受講したこともあるし
講演やパネルディスカッションも拝聴したことがあるのに
生の舞台を観る機会を作ることができず・・・

作劇法も面白く、平田氏の執筆された演劇入門は
非常にわかりやすく的確で、他の演劇関連本も読みやすい。
更に平田氏は日本の文化芸術分野において
今、最も発言力のある劇作家の一人。

その平田氏率いる青年団が長野市で公演を行うとなれば
何としても観ておくべきだよね。

そして青年団の芝居を観た団員の感想も聞きたかった。

演劇のジャンルは様々。

ストレートプレイ、エンターテイメント、語り芝居
ミュージカル、コメディ、エログロナンセンス・・・

夢幻の団員には、様々な色合いを醸し出すステージを
観て知って感じて検証して
舞台人としての幅を広げてもらいたいと思っている。

観劇は役者にとって学びの機会。

質の高いステージをどんどん観て
ジャンジャン吸収して成長してほしいな~

今日の会場は、長野市芸術館アクトスペース。

アクトスペースはブラックボックス。
工夫次第で様々な使い方が可能♪
どんな舞台取りだろう?と興味深々で出かけた♪

演目『さよならだけが人生か』
   作・演出:平田オリザ

まだ公演は続くので、詳しい内容は避けるが
一応・・・以下、ネタバレ注意!

 

イントレで組んだ舞台。

照明は地明かりのみ。

ピッカピカのイントレで組まれた装置の中には
日用品やら衣料品やらが乱雑に置かれている。

 なぜピッカピカのイントレなんだろ?

 このギャップは意図的なのか・・・

私が見事だと思ったのは、役者の力の抜け具合
テンポ、間、構図と
合いの手のように入るアドリブ(かな?)

それぞれのキャラクターも違いがわかりやすく
見易かったし、面白かった。

遺跡が発掘された雨降りの工事現場の事務所(?)
(私のイメージはプレハブ小屋)の一室における
上演時間とほぼ同じ時間の流れの中での出来事。

大きく時間が飛ぶこともないし、大きな事件が起きるわけでもない。
工事現場は遺跡が発見されて工事が進まないのが問題で
雨降りで遺跡収集もままならず、工事現場の人々や
発掘の学生、ゼネコン社員や文化庁の職員が次々と現れる。
娘と彼氏の結婚を認めない父親や
恋人同士の別れなどが織り込まれているものの
それがメインストーリにーになるわけでもない。

主役らしき人物もなく、感情移入した人物もいなかった。

平田さん曰く

 ベケットの「ゴドーを待ちながら」を強く意識した作品

とのこと。

ゴドーを待ちながら・・・を思い起こしてみて

 確かにね・・・

と。

「ゴドー待ち」は木が一本立った田舎の一本道が舞台。
浮浪者のウラディミールとエストラゴンが
ひたすらゴドーという人物を待ち続ける芝居。
2人はゴドーに会ったことがない。
どうでもいいようなゲームをしたり
どうでもいいような会話を交わし続ける―

人間の日常は、大きな事件など殆どないのが普通。
それを切り取って芝居にすることで何が見えてくるのか・・・

観客の想像力と受信力と感性に委ねられた演劇というべきか。

そうそう!

キッズクラスのイブキちゃんも
お母さまと一緒に観劇しました。

私は常々・・・
小さい頃から劇場で演劇を観るという習慣を
保護者の方々に作っていただきたいと思っている。

劇場とは異空間であり日常とは別世界。
そこで繰り広げられるのは
日常と非日常の狭間にあるない交ぜの世界・・・

想像力や発想力を育む場でもある。

そして、教育の中に「演劇」を創作するという時間が出来たら
きっと日本の子どもたちに変化が現れるに違いない・・・

子供向けの芝居ではなかったため
ちょっと心配だったがイブキちゃんが

 面白かった

と言うのを聞いてホッ。

今年は小学生対象にアルコトをやってみたい・・・と
密かに計画中。

決定したら、ご案内しますね(^^)

公演終了後、ファミレスにて
団員と夕飯を食べながらディスカッション。

感想は様々だったけど、おおむね

 面白かった

という感想が多かった。

こういう舞台、好き!という団員もいれば
面白いところはあったけど飽きてしまったという団員も。

好みは十人十色だし、それはそれで良いでしょう。

私自身もどちらかというとアスリートのような
パワーを感じるステージや心が揺さぶられる舞台が好き。

けど、青年団は役者の演技や作劇法など
見事な点が多々あり、刺激をいただけた。

そして・・・

なぜ演劇を創作するのか――

何のために演劇を提出するのかー―

という舞台人としての原点を
もう一度考えてみたいと
思わせていただいた舞台でした(^^♪

あ、もう一点、秀逸だとおもったのがタイトル!

 さよならだけが人生か

様々な別れが待ち受けている人々が登場。

人生は出会いの連続であり

別れの連続とも言えるが

だからこそ、再会は一際輝きを放つ―

来週、東京に周知活動に行く予定でして

実は・・・再会の連続が待ち受けています!

皆さんと会うのが楽しみ~(*^^*)