蜜柑のつぶやき ~演出家の独り言~

NPO法人劇空間夢幻工房の演出家/青木由里の日々の呟き。脚本執筆・役者・ワークショップ講師も兼業する舞台人日記♪

劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演「ISHIN version.2024」

NPO法人劇空間夢幻工房 創立25周年記念公演
タイトル 『ISHIN ~狼たちは最果てに~ version.2024』
脚本・演出 青木由里
出演 青木賢治/栗生みな/村松沙理亜/清水まなぶ/井田亜彩実/導星ゆな 他

日時 2022年9月8日(日)11:00~/15:30~
会場 飯山市文化交流館 なちゅら 大ホール
チケット予約フォーム:https://www.quartet-online.net/ticket/ishin2024

皆さまへ感謝を込めて晴れやかに開催‼
どうぞお楽しみに‼

菖蒲たたき 邪気払い

2020年06月20日 13時38分18秒 | 日記

午前中、TVで木島平の「菖蒲たたき」というお祭りを見た。

菖蒲か・・・

私の実家ではいつも端午の節句の日
お風呂に菖蒲の葉が浮かんでた。

いわゆる「菖蒲湯」だねー

邪気払いだよね、確か。

TVでは子どもたちが何かを言いながら
太い縄を地面にたたきつけている。

台所仕事をしながら見たので
声が良く聞こえない。

 面白いなー
 何て言ってるんだろ?

気になると、すぐ調べたくなるのが私(^-^;

で、早速ネットで調査開始!

私が見たのは長野県木島平村の祭り映像だったけど
この「菖蒲たたき」は「菖蒲打ち」とも言って
各地で端午の節句に行われる伝統行事らしい。

★菖蒲打ち(デジタル大辞林)
 近世、五月五日の節句に、子供が菖蒲の葉を編んで縄のようにし
 地面をたたきあい、切れた方を負けとする遊戯。しょうぶたたき。

菖蒲は古来病気や邪気を払う薬草と考えられていて
菖蒲の縄で地面をたたくことで悪魔を封じ
音で邪気祓いをする意味があったそうだ。

どうやらモグラを退散させる狙いもあるようで。

なるほどねー

子どもたちの掛け声は、地域によって異なるようだ。

「しょーぶたたき、しょーぶたたき、やまんば(山姥)、金時(おたふく風邪の意味)、くーんなくんな(来るな)」(山形県東根市)

「五月ごゆぎの菖蒲たたき、いがいがまだか、あぐらかいてちょうどいいおまけに10」(最後の数字は変わる)(山形県)

「ねーんに一度のしょ~ぶたたき」(山形県遊佐町)

「今日は5月のゴロエジの菖蒲叩き、一つ二つ三つおまけに一つ、もう一つ、そうれ、チャラポッポ、チャラポッポ」(秋田県由利本荘市飯沢)

あれ?山形県のヒット率が高いな(^-^;

未だに続いている地域が多いのが山形県ということかな。

けど、木島平でも行われているように
近畿、中国、北陸地方でも続いている伝統行事らしいので
ご興味のある方は、自分の故郷を調べてみてくださいm(__)m

 

2015年に出版された『SF』という体育施設の月刊誌
江戸時代の遊び「菖蒲打ち」が紹介されたという記述を見つけたので
少しだけ引用させていただこう。

「菖蒲の花が咲くころ,つまり,5月5日の端午の節句のころには
 菖蒲湯を涌かし,父親は菖蒲酒を楽しみ,子どもたちは菖蒲打ちで遊ぶ
 これは定番のようなものでした。
 この遊びが天保時代にはもっと盛んに行われていたと知ると
 なんとも懐かしいものです。」

天保時代というと、有名なのは天保の大飢饉。
疫病も大流行して、餓死・疫病の死者は20~30万人に達したとか。

だから盛んに行われたのかもしれないねー

そもそも、5月は季節の変わり目で体調を崩しやすい。

また、生きる上で大切な田植えの時期でもあり
昔は田植の時期にに「菖蒲」で身を清める
「五月忌み(さつきいみ)」という行事があったそうだ。

これは、若い女子(早乙女)が
田植え前の「みそぎ」として行う行事で
刻んだ菖蒲の根を浸して作った「菖蒲酒」を飲んで
身を清めたんだって。

うーん・・・

そもそも端午の節句の始まりは何だっけ?

と、更に調べてみるた。

端午の節句は、古代中国で始まったものらしい。

端というのは「初め」の意味
端午とは月の初めの午(うま)の日を意味
五月は午の月で、その午の月の午の日は忌日(いみび)として
災厄や不浄を除くために祓(はら)えを行ない
蓬(よもぎ)でつくった人形を軒下に吊るし
菖蒲を浸した酒を飲み、蘭を浮かべた湯に入った。

★忌日
月と日が重なる日は
 ・陰と陰が重なる
 ・陽と陽が重なる
善悪ともに倍加すると考える重日(じゅうにち)思想により
月と日の数字が重なる日を忌日とした。

午が五に通じるとして、五月五日を
端午の節句とするようになったのは
漢代以降のことらしい。

端午の節句が日本にもたらされたのは平安時代らしい。

貴族たちは、菖蒲を軒に挿し、粽を食べ、蓬で人形をつくったりしたとか。

やがて鎌倉時代になると―

菖蒲が「尚武」(武事、軍事を重んずること)に通じるとして
武士の間でも盛んになった。

室町時代には―

武者人形が飾られるようになって

江戸時代には―

男子誕生の喜びを世間に知らせ
健康と立身出世を願う鯉のぼりが立てられるようになった。

「菖蒲叩き」が男子の遊びとして流行したのも
江戸時代なんだって。

「祈り」「祭り」「遊び」は繋がってるんだねー

コロナ禍の今と天保時代は似ている。

今は米不足による飢饉ではなく
貨幣を稼げず米を買えない飢饉(一つの例え)

菖蒲の邪気祓い、やっている地域もあるだろうなー

と思ったら、ありました!

【菖蒲に託す疫病退散

 葛飾区では、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中
 5/5「こどもの日」の前にショウブの葉を
 銭湯や神社の一角に飾ろうとする取り組みが広がったとか。
 古くから邪気を払う力があるとされてきたショウブの葉に
 疫病退散の思いを託して行われたようだ。

最後に菖蒲の効用を記載しておこうー

因みにここで言う菖蒲は、花菖蒲とは異なるので
お間違いなく!

菖蒲の根は特に効能があるようだ。

【菖蒲根に含まれる成分】

◎アサロン:揮発性の物質、主にアロマオイルなどに用いられ殺虫作用などが認められる
      健胃などの作用を持つ

◎オイゲノール:淡黄色のフェニルプロパノイド、刺激のある快い芳香を持ち菖蒲の香りの大元

◎テルペン・セスキテルペン:鎮痛作用や血流促進、疫病を媒介する可能性のある虫への殺虫効果あり

 

またもや発展しすぎたな・・・

さて・・・夜は稽古だ。

 

そうそう!

ついに透明マスクを購入したよー

今日はこれで実験してみる‼