mugifumi日誌

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<超訳>心から安らぐ仏教の言葉

2011年01月31日 | 本と雑誌

 先日、イオンモールの本屋さんに「何か良い本はないかな?」と思い、立ち読みをしていたのですが、中公新書のコーナーを見ていましたら「<超訳>心から安らぐ仏教の言葉」という本が目に飛び込んできました。

 最初の本論を見ましたら「天上天下唯我独尊」の訳として「自分はこの世にただ一人の存在」という言葉が載っていました。

 そして、その超訳を次のように述べています。

 「広大な宇宙に自分はただ一人しかいない。十月あまり、お腹の中で赤子を育てた母でさえ、誕生の瞬間から別の人格になる。自分が産み落としたわが子とさえ、同人格とはあり得ないのだ。

 世界に何十億人いても、自分というのはただ一人。どんな場合でも、自分の力で生きていくほかはない。

 自分の力を強め、高みに進んでいくことはできる。だが、その自覚も意欲もなければ、停滞するか急な坂を転がり落ちていく。

 高みにすすものも停滞するのも、すべては「自分」に因るのである。幸福な人生を歩むのか、苦しみの人生を歩いていくか。決めるのは自分自身。

 生きることは、自分を主役にした人生物語を書いていくことだ。」

 小生などは「なるほど!」と納得したのですが、以前、このブログで「天上天下唯我独尊」という言葉を紹介したことがありました。

 若いときに「天井天下を通して尊いのは我一人」などと馬鹿な理解の仕方をしていたことがあると申し上げ、そうではなく、この本のように「自分はこの世にただ一人の存在」であるから尊いのだと申し上げました。

 それにしても、この言葉のように仏教の開祖、仏陀の言葉は素晴らしいものがあるのですね。

 さて、この本のことですが、作者は本郷陽二さんという方で、佛教関係者ではないそうです。

 でも、光文社カッパブックス出版社の編集部を経て、編集企画プロダクションを設立されて、これまでに仏教関係の著作やプロデュースで活躍されたいるそうですから、仏教の造詣が深いのだと思います。

 本には目次の前にはじめの言葉がありますが、この本ではその「はじめに」が大変面白いと思いました。そして、論旨が明快で理解しやすいのが、とても良いところです。

 「はじめに」のどこが面白いのか?ですが、副題の「仏教が「楽に生きよ」と教えている」という言葉のように、何が言いたいのかがわかりやすく、内容も「なるほど」と同意したくなるのです。

 「いま、仏教に対する関心が静かな高まりを見せています。むしろ、しばらく沈黙していた日本人の精神性の本質が、日々生きるための心の支えとして力を発揮するようになったのではないでしょうか。

 その背景には。生きていくことの重さを受けとめきれない人が増えてきたという現実があるのでしょう。生きていくことは・・・・<中略>

 仏教は立身や栄達を求めるものではなく、あくまでも人間の生きる姿勢と心の安らぎを求めるものです。このことこそが、六世紀に伝来してから一貫して、仏教が日本人の心をとらえてきた最大の理由ではないでしょうか。

 山水草木のすべて、万物は大いなる仏の慈悲に生かされている・・・・これが仏教の根本です。経典に見られる言葉は厳しい響きを持ちながら、口にするだけでここrがホッと和んでくる温もりと慈悲に満ちています。しかも、その内容も解釈も、驚くほど自由で広がりがあるのです。仏教はつまるところ、そんなに苦しんだり悩んだりする必要はない、もっと自分の心に素直に、楽に生きていけばそれでいいのだよ、と教えているのに気づくはずです。

 本書では、とっつきにくいと感じられる仏教の言葉を「超訳」し、普段の暮らしのさまざまなシーンに役立てられるように置き換えてみました。「超訳」にふさわしく、思い切った解釈をしたものもありますが、仏教の言葉は、百人百葉の解釈があってもいいのではないでしょうか。また、それが許されるのが仏教の自由さだろうと思います。私は仏教者ではありませんが、・・・<後略>」

 というものですが、小生は、この「はじめに」の最後の方に出ている文章「・・・まるで漂う雲のように自在に、楽な気持ちで生きるヒントを見つけていただけたら・・」が気に入ってしまいました。

 

 


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