悔い濡れて かへらぬ人の おもかげを 花におひつつ 夢に落ちぬる
*後悔先に立たずと言う言葉は真実だ。いつも人は、馬鹿なことをやってから後悔する。あんなことをやるのではなかったと。もう遅いということがわかってから、後悔の念にさいなまれる。
過ちたことのない人はいませんから、悔いたことのない人もいません。大事なのはそこからどうするかだ。二度と同じことを繰り返さないために自分を変えていく人には救いがあるでしょう。それから同じ後悔は二度としなくなる。だが。
いつまでもだらだらと悔いの涙に濡れて、何もしようとしない人は、また同じ後悔を繰り返す。
悔いの涙に濡れて、もう帰らない人の面影を、花の中に追いかけながら、夢の中に落ちてしまった。
もしかしたらあれは夢ではなかったろうか。なにもかもなかったことではないだろうか。などという幻想につかの間すがりたくなる。そういうこともあるでしょう。あまりにおろかなことだったから。
だがやったことは取り返せない。小手先の技術で何とかしようとしても、波に砂が洗われるようにすべて崩れていく。後悔は、ある程度したら、涙をふいて、明日に生きていくことだ。
二度と帰らないもののために、何をしていったらいいかを、自分で考え始めることだ。償いはそこから始まる。
あらゆることを改めていかねばならない。その苦しさを恐れないことだ。自分を変えなければ、永遠に悔いの涙の中を苦しく泳いでいかねばならない。