小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

春蝉の幼虫と空蝉

2011年07月08日 | 自然・植物・昆虫
紅葉の木の根元や、裏の水道パイプに、今年も、又、小さな蝉の抜け殻を、見つけた。6月頃から、お日様がさしだすと、待ってましたかのように、ジージー、ギー・ギーと、うるさいくらいに、鳴き始めた。子供達が、小さかった頃は、夜、懐中電気で、蝉の幼虫が、地上から、這い上がる頃を見計らって、虫かごに、捕捉して、これを、真夜中に、掛けて、脱皮する様を、夢中になって、観察したものである。殻を、背中から、のけぞりながら、割る様、羽に、血液が、徐々に、廻って蝉らしくなる様、等、蝉になる瞬間を、驚きをもって、見守ったものである。ある時、松の根元を、シャベルで、掘り返していたら、何か、白っぽい、茶色の殻を被った昆虫を、誤って、掘り返してしまった。思わず、蝉の幼虫だと知った。卵から、かえって、地上から、地下へ、潜り、木の根の汁を吸うこと、7年とも、10年とも、言われているが、蝉になった途端、わずか、7日-10日で、その命を終えてしまう。命のはかなさをたとえる例として、使われるが、蝉になる前に、事故死させてしまった幼虫のことを、今でも、抜け殻や、鳴き声を聴くたびに、思い起こす。それからは、いつも、穴を掘るときに、幼虫が、出てこないように、祈りつつ、掘っている。