荻窪の玄関には、その昔、白樺の木を植えて、巣箱をおいて、シジュウカラを何回か、巣立ちさせたが、その古木も、台風で、途中から、折れてしまい、やむなく、切り倒し、今でも、その枝の一部が、小諸の書斎の棚に、記念に、インテリアとして、置かれている。そんな思い出のせいか、小諸の家を建てるときには、白樺の樹を植えたいものだと思い、樹形を考慮して、2本、大きいものと、やや、小ぶりの2本を揃えて、植樹した。23年前のことである。それから、白樺の樹は、高原の気候と相性が良いのか、どんどん、葉を茂らせて、大きくなり、2階にまで、達しようかという程、成長した。夏は、もちろん、秋には、黄色に色づき、楽しませてくれた。しかし、年々、カミキリムシの影響か、まるで、散弾銃の弾丸を身体全体に、受け止めたように、丸い穴が、そこかしこに、広がり、結局、3年程前には、台風で、2本とも、途中から、折れて朽ち果ててしまった。白い木肌が、とても、緑の中に映えるので、そのままにしておいた。多分、啄木鳥でも、虫を捕るようにとも、考えていたところ、昨日、ふと、何気なく、見ると、直径5cm程の大きな穴があいていて、そこに、コゲラが、入っていくところを目撃した。少し経つと、穴から、出て、桜の樹に、よじ登ってゆき、松の梢から、どこかへと、飛んでいった。朽ち果てた樹は、樹なりに、啄木鳥などの鳥には、すみかになることを、知ってはいたが、改めて、再認識させてもらった。次は、是非、子育てを見たいものである。(警戒心の強い鳥なのか、写真を撮ろうと思ったら、逃げられてしまった。)