【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

パンク

2013-04-06 07:04:34 | Weblog

 通勤途中、突然路面が荒れた感触となりました。どう見てもいつもの舗装道路ですから、これは車の方の要因、つまりパンクでしょう。職場はすぐ目の前だったのでそのまま職場の駐車場まで行ってしまうことにします。
 自動車のパンク経験はこれで3回目。一回目は出先で、ちょうどガソリンスタンドの前だったから、そのままそこに飛び込んで修理をしてもらいました。二回目は山道だったのでスペアタイヤに交換して落ち着いてからタイヤの修理をしました。これが25年くらい前の話です。で、今の車の前の車はスペアタイヤではなくて補助タイヤでしたがこれはパンクをしなかったので補助タイヤを使う機会はなし。そして今の車は、トランクにタイヤそのものが存在しなくて、パンクしたタイヤに吹き込むタイヤ修理剤が積んであります。説明を読んだら結局緊急処置でしかないし工場まで転がしていく必要があります。始業時間はもうすぐ。しかも外は雨。
 とりあえず仕事を始めて、一段落してから車を買ったディーラーに電話しました。幸い、というか、勤務先とディーラーは同じ区にあるので、場所を教えるのは実に簡単なのです。職場まで出張してもらって、一度工場まで引き取って修理をしてもらいました。退勤時までには修理は完了。出張修理ということでお金はかかりましたが、時間と自分の手間は相当節約できました。この車を買ってからずっとやってなかったタイヤのローテーションもしてもらえたから、まあよかったと思うことにします。

【ただいま読書中】『戦争と飢餓』リジー・コリンガム 著、 宇丹貴代実・黒輪篤嗣 訳、 河出書房新社、2012年、4500円(税別)

 戦争はカロリーと密接に関係があります。20世紀のドイツも日本も、都市に集中する人口が必要とする食糧を手当てすることが困難になったことが、戦争の一因でした。戦争遂行には平時よりカロリーが必要です。兵士も銃後の人も平時より重労働となりますから。しかし食糧生産は減ります(兵役による農業従事者の減少、戦争による被害、物流の混乱など)。生産従事者が減少した上に、捕虜やユダヤ人など非生産人口を大量に抱えたドイツは、カロリーカットで餓死させる“戦術”を採りました。ドイツの農業食糧大臣バッケは、戦争に勝つためには食糧の自給自足が必要でありそのためにはソ連の征服が必要である、とヒトラーを説得しました。本書ではバッケこそがソ連との開戦の“直接の要因”とされています。バッケは「飢餓計画」でソ連スラヴ系住民の大量殺害も提案しています(土地を“開け”てドイツ人を移住させる目的です)。日本が満州でやったのは地元農民の追い出し(と日本人の入植)であって殺害ではなかったのですからナチスの“兇悪さ”が目立ちますが、満州の農民が「土地を失っただけで殺されなくて、ハッピー」と思ったかどうかは知りません。
 イギリスは、家畜を減らし、耕地を二倍に増やし、トラクターと肥料の消費を増やします。肉の代わりにパンとジャガイモ、コーヒーは代用コーヒーです。イギリスの漁場が閉鎖されたおかげをこうむったのがアイスランドの漁業です。さらにチャーチルは「食糧不足」を大英帝国の各所に輸出しました。特にインドは被害甚大で(「ベンガル飢饉」で数百万人が餓死)、独立運動が加速します。チャーチルの立場では「もっと大切な守るべきものがあった」なのでしょう。
 「飢餓」は戦争の原因の一つにすぎないでしょうが、「戦争」は「飢餓」を確実に生みだします。たとえ(勝った側が)「戦争によって飢餓が解消した」としても、それは局所的な現象で、トータルで見たら人と地球は大きな損害を受けることになるのです。だとしたら「戦争」は「飢餓の解決法」としては「良くない方法」と断言して良さそうです。まあ、何の解決法としても、あまり良い方法とは言えない気もしますが。