【ただいま読書中】

おかだ 外郎という乱読家です。mixiに書いている読書日記を、こちらにも出しています。

不自然淘汰

2013-04-13 07:08:17 | Weblog

 ダーウィンの進化論に従うと、「生存に不利な戦略を採る種は自然淘汰される」のが大原則です。
 ところで人類の歴史は「戦争の歴史」でもあります。で、人類が滅びていないところを見ると、人類にとっての戦争は「生存に不利な戦略」ではない、ということなのでしょうか。戦争をするということは、不必要に自分の生命を危険にさらすということのはずですが。
 あ、そうか、「戦争をさせる人類」と「実際に戦争で生命を危険にさらす人類」は別の“種族”だった、としたら、後者が戦争によってその数を大きく減らしたとしても、前者は安全なところにいて生存を確保されている(それどころか、戦争から利益を得る)のだから、淘汰はされずに済む(さらに繁栄をする)、ということだったんですね。ついでに「後者」を減らしておけば「下克上」で自分の生態学(社会学)的地位を脅かされる危険性も減らせますし。

【ただいま読書中】『四次元半 襖の下張り(4)』石森章太郎 作、秋田書店、1980年、330円

 「魔法使いの弟子」「スペース・インベーダー」「不確実星時代」……そして「アニメーション」。時代の臭いがぷんぷんと立ち上がり、石森章太郎の趣味や興味が当時どのようなものだったかがうかがえる作品がつぎつぎ登場します。表現者というのは、自分の身を削って表現するんだな、とちょっと痛々しい思いもします。
 ただ、時間が足りなかったのか、アイデアの練り方や作画の緻密さがちょっと落ちている印象です。作品の収束へ向けて、力をためている時期だったのかもしれませんが。