瞑想と精神世界

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思考と瞑想の心理学12:忘れ去られていく「散漫な思考」

2011年10月04日 | 思考と瞑想の心理学
瞑想というわけではないが、日常的な思考がどのように展開していくのかを、日常の中でできるだけ意識するようにしている。ほとんどは無意識に来ては去る意識の流れを、少しでも自覚にもたらそうと試みている。

すると一つの事実に気づく。すこしでも意識の流れに気をとめたことのある人なら、誰でも知っていることだろう。しかし、あらためてその事実を確認すると、やはりと思わざるを得ない。つまり直前の思考をほとんど忘れているということだ。

自分があることを漠然と考えていたことに気づく。その思考はどこから来たのだろう。その前に何かを考えていたという記憶はある。その思考から連想して、この思考が浮かんだのだ。しかし、その元の思考を忘れている。

直前の思考でさえこうなのだから、日常の中で次々に浮かんでは消えるとりとめもない思考は、消え去った直後にほとんど忘れられていくのだ。そしてとりとめのない思考の連鎖だけが続いていく。

何らかの目的をもって自覚的に仕事の段取りなどを考える場合は別として、私たちの日常の大半の思考は、いわゆる「散漫な思考」であり、浮かんでは忘れ去られていく流れのなかにある。

つまり、私たちは、ほとんど無意識の思考の流れのなかで多くの時間を過ごしているのだ。そして、その無自覚的な思考が「私」を形づくっている。そこに自覚をもたらすことが、「私」を解体することにつながっていくのだろう。

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