「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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栃木県那須町、甲状腺検査受診の子供が20人だけとの低い意識、うち精密検査1人と経過観察8人という異様。

2014-06-13 08:37:57 | 福島第一原発と放射能

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「甲状腺検査評価部会の分析」、「東京の医師たちに書き残しておくこと」等を予定。

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福島の一定地域よりも汚染が酷い場所がある栃木県那須町。

栃木県那須町の人口は26,650人(ことし六月のデータ)くらいです。18歳未満はどの程度なのか。平成 21 年では児童人口(18 歳未満、栃木県毎月人口調査 10 月1日現在)は 3,976 人で、総人口に対する割合は 15.0%位でした。総人口の変動が1000人程度の減少のため、数百人程度減っているかどうかと思います。3000人以上は、18歳未満の子供達がいると思います。

那須町がおこなっているのは、

(1)尿検査と母乳検査(未就学児と妊婦対象)

(2)ホールボディカウンターによる内部被曝検査

(3)18歳以下の甲状腺検査

この三つになります。

これを受けている人は、去年度は全体のうち266件しかありません。しかもこのうち圧倒的多数231件(うち町民以外110件)が、ホールボディカウンターの検査を受けているだけです。このホールボディカウンターはベラルーシのAT1316。椅子型の簡易型測定器です。

僕のブログ読者に最早お話しする必要もありませんが、ベルリンの放射線防護庁のスタッフが「おもちゃ」と評したレベルの代物です。

事故から年数の時間が経過していて、この機械で測定する意味は相当に薄いです。下限値が300Bq/bodyのようですし、本音で言えば、話になりません。

そうすると尿検査などはどうなのか。これも見て絶句します。

下限値が10bq/L。すいません、当初から尿の測定で数Bq/Lは検出されても、10Bq/Lを超えるケースは、ほぼありません。10Bq以上検出しか見ないなら意味がありません。10bq/Lも尿で検出される場合は、体内の最大推定は、1500bq/bodyの可能性があります。幼児でそこまで汚染されている現実があると相当に厳しいです。ということは、そうした極端な汚染以外は、この検査に実効的な意味はほとんどありません。この検査をおこなった人の中では10Bq以上出たケースはなかったそうです。あたりまえです。なにをしているのかと思います。

そうすると意味があるのは、甲状腺検査だけです。勿論このエリアでは、甲状腺検査は一年に一回は必須ですし、何か軽微な異常が出ている場合は、「半年に一回」は受診すべきレベルです。ウクライナでは当たり前の話です。那須よりも汚染がないウクライナのエリアでも。

地元新聞が伝えているところによりますと、「18歳以下の子どもが対象の甲状腺エコー検査20件」しか受診者がいないそうです。対象の人口のおよそ5%以下高濃度に汚染されているのに、那須町の町民、被曝に関する意識の低さは、話にならないレベルです。三年目とはいえ、意識が緩むのが早すぎます。

そしてわずか20件検査結果について

「要精密検査1件、経過観察8件が出た。検査に当たった医療機関2カ所のうち、高久甲の那須高原病院では15ミリほどの嚢胞(液体がたまった袋)や3ミリ程度の腫瘤(しこり)などを確認したケース」(下野新聞http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20140611/1621832より)があったそうです。

勿論これらの検査をどう考えるのかということがあります。

まず子ども人口の5%以下、20件しか検査をしなくなる那須町の親達の意識の低さは壮絶なものがあります、三年目とはいえ、検査をしている母数があまりに少なすぎます。

そして、そのうちで、検査しているわずか20件(前年迄の検査でなにかあったケースかもしれませんが)のうち、精密な検査が必要なケースや、経過観察をする事案をあわせるとほぼ半分の9件になるということです。

これは、かなりの高率です。この中には元々問題があった子どもたちもいるでしょうが、それよりも今回の事故由来で、状況の変化が起きているケースが多々あると理解しています。

普通に考えて、検査していない他の子どもたちにも、いろんな変化が出始めていると思います。この地域では、吸気被曝のみならず、飲食に関しても、汚染は続いているでしょうから。

親達の防御意識の低さ、更に行政の甘い防御ライン感覚と、守れる可能性がかなり低い状態であることが浮かびあがる話だなあと認識しています。

この被曝問題は、残念ながら、個人個人の親達の意識のレベル差を相当に見せ付ける話になっていますが、そのことに留まらず、地域差も厳然と日本には存在していることも、また浮き彫りにしています。

はっきり書きますが、まわりの意識レベルが低い場所にいるのと、そうでない場所にいることでも、個人の明暗を分ける結果になるだろうという事です。

こういう厳然とした事実を、見ようとしない、もしくは、ないかのごとく振舞う人々が日本社会には多すぎます。他国の揶揄をする暇があるなら、自国内のこうした内なる格差をみつめないと、生き残れないだろうと僕は思います。

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「避難している母子が、甲状腺に関してどう考えるのか」基本的なことも確認します。

三田医師との京都トーク。いよいよ来週末に迫りました。 

ご予約をされたほうが、当日入場よりも参加費的にメリットがあります。

  基本内容は土曜・日曜とも三田医師の報告は同様の内容。もちろんトーク部分は、中身が変わってはくるとは思います。ですから、そうした全容が知りたい方は、両日来られても意味があるかも知れません。甲状腺検査部会の話もトークでも話すことになると思います。

 

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 来週土曜夜 6/21(土)夜

【三田医師&木下黄太トーク「被曝影響と放射能防御」IN京都】 
三田医師報告、トークセッションと質疑 
開場:18:00 開演:18:30~20:30 
場所:ひとまち交流館 定員:270席(固定席&椅子席) 
申込&詳細⇒
http://kokucheese.com/event/index/177741/

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 日曜朝 6/22(日)午前

【三田医師&木下黄太トーク「被曝影響と放射能防御」IN京都】 

三田医師報告、トークセッションと質疑 
開場:09:10 開演:09:40~11:40 
場所:ひとまち交流館 
定員:230席(固定席のみ) 
申込&詳細⇒
http://kokucheese.com/event/index/177500/

 

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【岩手県一関市】

岩手県一関市では、市側が、側溝などで高濃度汚染されていた土砂を一関市真柴の旧県立南光病院建物に仮置きする方針を示しています。その説明会を次々開催しようとしているのですが、住民達の反発が強く、説明会が説明会にならない状態が起きているそうです。一関市の汚染も酷いです。岩手では突出していて、健康被害は十分に想定できるレベルです。こうしたことを踏まえていくと、対策をきちんととらなかった自治体と、気がつき始めた住民との衝突は、汚染地域で更に激しくなってくると思います。今後の推移を見守る必要があります。