俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

特急料金

2008-02-18 19:35:25 | Weblog
 普通、早く動くためには多くのエネルギーが必要とされる。100mを10秒で走る場合、20秒で走るより何倍も多くのエネルギーを使う。自動車も早く走れば多くのエネルギーを使う。距離だけではなく早さもエネルギー消費量に影響を与える。
 早い乗り物が遅い乗り物より高くても当然なのは、単に時間が節約できるという利便性だけではなく、高コストであることを利用者が理解しているからだ。
 ところが電車の場合は事情が全然違う。電車が多くのエネルギーを必要とするのは動き始めて加速する時だ。一定速度で移動を続ける時間帯はそれ程エネルギーを使わない。つまり停車と発車を繰り返す各駅停車が最も高コストで、一定速度で走り続ける特急や急行は実は低コストなのだ。
 なぜ低コストな特急のために別途特急料金が追加されるのか理解できない。利用者の錯覚につけ込んでいるとしか思えない。幸い関西には阪急・阪神・京阪といった特急料金を徴収しない良心的な鉄道事業者がある。関東や他の地域ではどうなのだろうか。

野菜の廃棄

2008-02-18 19:21:04 | Weblog
 採れ過ぎた野菜の廃棄が時々ニュースになる。食料自給率がわずか4割の国でなぜ貴重な野菜を廃棄するのかと思って調べてみると、どうやら「野菜生産出荷安定法」という法律が原因らしい。
 「過去9年間の平均価格の7割を下回った場合に特定の野菜を廃棄すれば平均価格の4割が野菜供給安定基金から交付される」という制度だ。いずれ詳しく調べてみたいと思うが、素人なりに素朴な疑問を感じる。
 ①なぜ上限が無いのに下限は7割なのだろうか。上限を設けず下限だけを設けたら平均価格は徐々に高くなってしまう。
 ②基金は半分が農家による積み立てで半分は国(税金)らしい。税金を注ぎ込んで廃棄の補填をするよりマシな手は無いのだろうか。
 ③対象農産物は大根、白菜、玉葱、ニンジン、キャベツ、レタスの6品目とされている。なぜこの6品目だけが廃棄の対象となるのだろうか。漁業にはこんな安定基金は無く市場価格で取引されているがそのせいで漁業が行き詰っているとは思えない。こんな廃棄を奨励するような仕組みが必要なのだろうか。
 ④廃棄において、かつて牛肉で発生したような不正は無いのだろうか。
 [私案]
 下限を7割にせず5割にしてあとは自由競争にしたら何か問題が生じるのだろうか。国は「ノー政」と揶揄されながらも農政には過度に干渉する嫌いがある。いっそ市場経済に任せてみてはどうだろうか。農家にしても廃棄して4割を交付されるよりは5割で売れるほうが好ましい筈だ。

100億円の離婚

2008-02-18 19:00:12 | Weblog
 元ビートルズのメンバーのポール・マッカートニーの離婚訴訟が決着する見通しになったらしい。何より驚くのは支払総額が5,500万ポンド(約115億円)ということだ。この金額は英国史上最大額だそうだ。
 2002年に結婚して以来たった6年だから、1年当たり約20億円になる。何よりも凄いのはポールが「たとえ100億円払ってでも離婚したい」と考えていることだ。「100億円払っても結婚したい」と思われた人はこれまでに何人かいるだろうが、「100億円払ってでも離婚したい」と思われた人は史上初めてだろう。

この世は舞台

2008-02-18 18:52:33 | Weblog
 「この世は舞台だ」というシェークスピアの名言がある(「お気に召すまま」より)。
 「人生に意味があるのか?」と問う人にはこの名言を伝えたい。人生は我々が演じるための舞台であって、舞台そのものには意味が無く、舞台で演じられる演技に意味がある。生きることそのものには意味が無く、自分がその舞台でいかに生きるかによって意味が与えられる。舞台がなければ演技はできないから、そのためには舞台は必要不可欠だ。死ぬことは活躍するための舞台を失うことを意味する。