性転換する魚は少なくないが先日の「ダーウィンが来た」で見たコブダイの生態には驚かされた。コブダイは総てメスとして生まれ、長生きして体が大きくなったメスだけが性転換してオスになるそうだ。
生殖においてオスの果たす役割は小さい。メスか卵に射精することだけだ。こんな役に立たないオスが半分を占めるのは本来不合理だ。メスの1/10でも充分だ。
オスの数が不合理に多いのは変異のためだと私は考えている。オスは個体ごとのバラつきが大きい。出来・不出来の差が大きいからメスは良質のオスを選んで受精する。この種族内淘汰が適応を生む。
コブダイの場合は全然違う。何年も掛けて大きく育ったメスがオスになる。大きく育つのは健康で俊敏で賢い、つまり総合的な適者だけだろう。生存競争を生き抜いた適者だけがオスになるのだから適者の遺伝子だけが受け継がれることになる。
もし人間がコブダイのような性質を持っていたらどうなるだろうか。全員が女性として生まれて出産や育児を終えた女性の中でも特に健康で精神的にも満足した女性だけが男性になる。この少数の男性が今度は女性に出産をさせる。この男性は女性としての経験もあるから男と女の擦れ違いは起こらない。このコブダイ人間の世界では男性の数が少ないので一夫一妻制は無理だろう。多分一夫多妻制となり、女性は独身かワーキングマザーかのどちらかを選ぶことになる。
私は作家ではないのでこれ以上想像を膨らませないが、誰かがコブダイ人間をテーマにしたSFを書いてくれたら是非読んでみたい。きっとガリバー旅行記や猿の惑星のような文明批判小説になるだろう。
生殖においてオスの果たす役割は小さい。メスか卵に射精することだけだ。こんな役に立たないオスが半分を占めるのは本来不合理だ。メスの1/10でも充分だ。
オスの数が不合理に多いのは変異のためだと私は考えている。オスは個体ごとのバラつきが大きい。出来・不出来の差が大きいからメスは良質のオスを選んで受精する。この種族内淘汰が適応を生む。
コブダイの場合は全然違う。何年も掛けて大きく育ったメスがオスになる。大きく育つのは健康で俊敏で賢い、つまり総合的な適者だけだろう。生存競争を生き抜いた適者だけがオスになるのだから適者の遺伝子だけが受け継がれることになる。
もし人間がコブダイのような性質を持っていたらどうなるだろうか。全員が女性として生まれて出産や育児を終えた女性の中でも特に健康で精神的にも満足した女性だけが男性になる。この少数の男性が今度は女性に出産をさせる。この男性は女性としての経験もあるから男と女の擦れ違いは起こらない。このコブダイ人間の世界では男性の数が少ないので一夫一妻制は無理だろう。多分一夫多妻制となり、女性は独身かワーキングマザーかのどちらかを選ぶことになる。
私は作家ではないのでこれ以上想像を膨らませないが、誰かがコブダイ人間をテーマにしたSFを書いてくれたら是非読んでみたい。きっとガリバー旅行記や猿の惑星のような文明批判小説になるだろう。