俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

海水(2)

2011-01-25 16:12:55 | Weblog
 海水の塩分濃度はもっと低かったのではないだろうか。
 陸生動物は海から陸に上がったのだから体液は海水に近い筈だ。それにも関わらず生理食塩水の濃度からも分かるとおり随分懸け離れている。
 鮭や鰻のような例外はあるが海水と淡水を自由に行き来できる魚は少ない。スズキがブラックバスになったように淡水魚が総て海水魚から進化したことを考えればこれは奇妙なことだ。長江(揚子江)の川イルカやメコン川の川エイは海に戻れない体質になってしまっている。勿論殆んどの淡水魚は海水では生きられない。
 海水魚が淡水魚に進化するためには淡水への遡上が容易でなければならない。遡上が困難なら淡水に適応できる魚が出現する可能性は殆んど無くなってしまう。
 河口近くには多くの海水魚が集まる。その理由は陸の栄養分が流れ込むからだと思っていたが、汽水域のほうが塩分濃度が低いので居心地が良いからなのではないだろうか。
 温泉の水でトラフグを養殖している施設がある。海水よりも塩分が少ないそうだがかえって成長が早いとのことだ。少なくともトラフグにとっては塩分が海水よりも少ないほうが快適なのだろう。
 海水が濃くなったのは濃縮されたからだろう。地球はもっと暖かくて南極や北極の氷は今よりもずっと少なく水位はもっと高かったのだろう。生命を育んだ海は今よりも塩分濃度が低かっただろう。現在の海水は海中に住む生物にとって必ずしも快適な環境ではなく、汚染された大気のようなものなのかも知れない。

拾得物

2011-01-25 15:58:21 | Weblog
 韓国では拾得物を郵便ポストに入れる習慣があるそうだ。良い仕組みだと思う。勝手に真似をしようと思っている。
 持ち主が特定できる定期入れなどを拾った時の気持ちは正直な話「面倒な物を拾った」という思いだ。選択肢は2つ、警察に届けるか郵送するかだろう。他には「拾わない」とか「着服する」といった対応もあり得るがこれらは好ましくなかろう。
 暇潰しや散歩のために街を歩くことは少ない。殆んどが何らかの目的を持っている。時間を割いて警察へ届けるのは鬱陶しい。調書を取られることは精神的にも時間的にも苦痛だ。むしろ持ち帰って郵送するほうが郵送料の負担だけで済むので好ましい。わざと切手を貼らずに出して持ち主に負担して貰うという方法もあるだろうが、受取人の不快感を想像するとそれはできない。
 これらは拾得者の善意に頼っている。「善いことをした」と満足感を得る人もいるかも知れないが、私は関わりたくない。早く責任逃れをしたいと思う。私はかなり我儘で怠け者だ。
 それでもポストへ放り込むぐらいの負担なら構わない。ポストならすぐに見つけられるし大した回り道にもならない。あとは郵便事業会社がビジネスとして処理してくれれば良い。郵便事業は持ち主に届けて送料を徴収するのだから誰にも迷惑は掛からない。むしろ赤字の郵便事業としての新規収入源にも繋がり得るだろう。
 これで煩わしい思いをしなくても済むだろう。

早期承認

2011-01-25 15:42:22 | Weblog
 新薬は基本的には早く承認されるべきだ。欧米よりも2年遅れると言われているドラッグラグを早急に解消すべきだろう。
 欧米人には安全でも日本人には危険な副作用を伴う恐れがある、と厚生労働省のお役人は言う。誰がこんな馬鹿な言い訳を真に受けるだろうか。欧米人の中には黄色人種もいる。勿論、帰化した元日本人もいる。「黄色人種には使わないでください」という注意書きの付いた薬など私は知らない。欧米で承認されて2・3ヶ月も経てば医療現場から充分な情報が得られる。それを更に国内でチマチマと実験する必要など全く無い。欧米での実用データだけで充分だ。
 イレッサ訴訟(1月14日付け「薬のリスク(3)参照)以降、厚生労働省は以前にも増して承認には慎重になっているだろうが、かつてもっと悲惨な大失敗を犯したことを忘れてはならない。
 薬害エイズ事件がそれだ。旧ミドリ十字や故・安部英氏らの刑事責任が騒がれたが、一番の原因は既に欧米では使われていた加熱血液製剤を旧厚生省が承認しなかったことだ。血友病患者は非加熱製剤が危険だと分かっていてもそれを使い続けるしか選択肢は無かったからだ。安全な加熱製剤が承認されていないのだから危険と分かっていても非加熱製剤を使わざるを得なかった。このことが被害を拡大した。非加熱製剤の承認を取り消さなかったことよりも、加熱製剤の承認が遅れたことの責任こそ問われるべきだろう。