俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

商品券暮らし

2011-07-22 14:36:14 | Weblog
 私は4月4日以来、商品券暮らしをしている。その間一度も銀行から預金を引き出していない。
 格安チケット店で近鉄グループ券の1万円券50枚を495,000円で買ったことが始まりだった。それ以来クレジットカードでの買い物以外は商品券と釣銭だけで暮らしている。
 1万円券で39円のもやしを買えば釣銭は9,961円だ。この内9,770円を使ってチケット店で1万円分の百貨店共通商品券を買う。手元には191円残る。
 つまりこの時点で、9,900円の現金が1万円の商品券になり、それが39円のもやしと1万円分の商品券と現金191円になったということになる。330円の儲けだ。
 次に千円の共通商品券でまたもやしを買えば釣銭は961円だ。これに手持ちの16円を加えればまた千円の共通商品券が買える。
 理想としては1万円券では100円未満、千円券では23円未満のものばかり買っていれば資金は増え続けることになるが、さすがにそれは不可能だった。
 1万円券ではそれを実行した。1万円券で買ったのは39円のもやしと59円の菓子パンと99円の第三のビールと99円のチンゲン菜だけだったから儲け続けた。百円以上の「高額品」を買う時には一旦安い品を買ってその釣銭で買った千円券を使った。
 私は主に近鉄百貨店系の近商ストアというスーパーを使っているが共通商品券が使える店が身近にある人なら釣銭がどんどん貯まることに驚くだろう。我ながら馬鹿なことに大真面目で取り組んでいると呆れている。

ハーモニー

2011-07-22 14:20:38 | Weblog
 音楽の3要素はリズム・メロディ・ハーモニーだ。日本人の音楽で最も欠けているのはハーモニーだ。大勢で歌っても合唱にはならず斉唱になる。
 日本のデュエットソングの多くは斉唱か輪唱だ。合唱と言える歌は「世界中の誰よりきっと」と「愛が生まれた日」の2曲ぐらいしか思い付かない。
 ビートルズの歌はかなり複雑な和音で構成されている。滅多に使われない和音が自由自在に駆使されている。
 ここでの立役者はジョージ・ハリスンだ。ジョン・レノンとポール・マッカートニーが主旋律と副旋律を歌いその補助役を担うのがジョージだ。
 普通なら主旋律と副旋律でハーモニーは充分に成立する。しかし彼らはそれでは満足しなかった。主旋律と副旋律で欠けている音をジョージが埋めた。そのためジョージが歌うパートはとんでもないメロディになる。
 ビートルズはもともとリヴァプール芸術大学生(どういう訳か昔はリヴァプール・カレッジ・オブ・アートが「リヴァプール美術大学」と訳されていた)のジョンとポールが作ったバンドだ。新参者で年少のジョージは脇役とならざるを得なかった。しかし素晴らしい名脇役だった。あの素晴らしいハーモニーはジョージという黒子がいたからこそ生まれたと言える。

ユダヤ人

2011-07-22 14:04:36 | Weblog
 ナチスはユダヤ人という人種を滅ぼそうとしたのではない。ユダヤ教徒を滅ぼそうとしたのだ。
 ユダヤ人という人種は存在しない。英語ではユダヤ人もユダヤ教徒もJewryだ。つまりユダヤ教を信仰する人がユダヤ人だ。これはイスラム教を信仰する人をムスリムと呼ぶのと同じことだ。ムスリムはアラブ人だけではなくイランなどのアーリア人や黒人なども含まれる。ナチスが行ったのは人種差別ではなく宗教弾圧だ。
 ユダヤ教は旧約聖書だけを聖書と認める宗教だ。従ってナザレのイエスをキリスト(救世主=メシア)とは認めない。このことはキリスト教徒にとっては許し難いことだ。
 一神教のキリスト教は偏狭な宗教だ。新教と旧教の間でさえ殺し合う。そんなキリスト教にとってイエスをメシアと認めないユダヤ教は憎悪の対象となる。キリスト教の価値観を否定するユダヤ教を殲滅しようとしたのがナチスだ。
 ナチスが否定されていることもあり、今のところはキリスト教徒はユダヤ教徒には寛大だ。しかしこれは時限爆弾を抱えているようなものだ。これまでに何度も宗教戦争を起こしたキリスト教徒はいずれイスラム教徒およびユダヤ教徒に対する弾圧を強めるだろう。
 フランスやドイツやアメリカにおいてイスラム教徒に対する差別が広がりつつある。根本的な価値観が違えば共存は難しい。
 女性に顔を隠すことを強制する宗教が弾圧されるのは性器を露出することを強制する宗教が弾圧されるのと同じようなことかも知れない。文化の違い以上に宗教の違いは埋め難い。