出所者に対する支援が必要であることに異存は無い。出所者が就労できなければ再犯の可能性が高まる。だから就労の機会を与えるべきだ。しかし就労させれば問題が解決する訳ではない。問題を正しく理解する必要がある。
出所者と一括りにすることがそもそも間違いだ。出所者は非常に様々だ。やむを得ない事情に同情できる人もいれば危険極まりない累犯者もいる。特に性犯罪者の再犯率はかなり高いらしい。アメリカでは性犯罪者の人権はかなり厳しく制約されている。
就労した出所者の5年以内での再犯率は7%で、非就労者の再犯率は30%だそうだ。この数字だけを見て「就労させれば再犯率が1/4に減る」と考えるならかなりお目出度い人だろう。就労しても再犯率が7%であれば年当りでは1.4%だ。これは日本人の平均よりも随分高い。就労させても再犯の可能性はかなり高いということだ。
就労しなかった人の再犯率が更に高いことを、就労できなかったから再犯率が高いと考えるのも根本的に間違っている。就労不可能な人が含まれているからだ。すぐに激昂する人や明らかに虚言癖のある人を雇う企業などあるまい。就労で門前払いを食らうような人の再犯率が高いのは当たり前だ。原因と結果が混同されている。
私は出所者の更生の邪魔をしたい訳ではない。誤解し易いデータに基づいて雇用を促進しようとする総務省の姿勢を糾弾したいだけだ。こんなデータと各種優遇策に騙されて出所者を雇用して迷惑を被った企業こそ被害者だ。
出所者の中には「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャンのような立派な人もいるだろう。あるいは帝政ロシアという特殊な状況下とは言え「死の家の記録」でドストエフスキーは懲役囚を「彼らは我が国の民衆全体の中で最も才能豊かな、最も力強い人なのではあるまいか」とまで誉め讃えた。素晴らしい人材が誤って犯罪者になることもあろうが、大半の出所者は標準以上に危険な人だろう。
出所者の就労率を高めたいのであれば法務省もリスクを負うべきではないだろうか。例えば出所者のランク付けをして、トラブルが起こればそのランクに応じて補償をするという仕組みがあっても良かろう。使用者側に全責任を押し付けるのは無責任過ぎる。
出所者の就労率を高めたいという意図は理解できる。しかしそのために誤解を招き易いようなデータに頼るべきではない。安全性も危険性も事実に基づくべきだ。危険を煽ることも安全と偽ることも誤魔化しだ。正しいデータに基づかなければ判断を誤る。
出所者と一括りにすることがそもそも間違いだ。出所者は非常に様々だ。やむを得ない事情に同情できる人もいれば危険極まりない累犯者もいる。特に性犯罪者の再犯率はかなり高いらしい。アメリカでは性犯罪者の人権はかなり厳しく制約されている。
就労した出所者の5年以内での再犯率は7%で、非就労者の再犯率は30%だそうだ。この数字だけを見て「就労させれば再犯率が1/4に減る」と考えるならかなりお目出度い人だろう。就労しても再犯率が7%であれば年当りでは1.4%だ。これは日本人の平均よりも随分高い。就労させても再犯の可能性はかなり高いということだ。
就労しなかった人の再犯率が更に高いことを、就労できなかったから再犯率が高いと考えるのも根本的に間違っている。就労不可能な人が含まれているからだ。すぐに激昂する人や明らかに虚言癖のある人を雇う企業などあるまい。就労で門前払いを食らうような人の再犯率が高いのは当たり前だ。原因と結果が混同されている。
私は出所者の更生の邪魔をしたい訳ではない。誤解し易いデータに基づいて雇用を促進しようとする総務省の姿勢を糾弾したいだけだ。こんなデータと各種優遇策に騙されて出所者を雇用して迷惑を被った企業こそ被害者だ。
出所者の中には「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャンのような立派な人もいるだろう。あるいは帝政ロシアという特殊な状況下とは言え「死の家の記録」でドストエフスキーは懲役囚を「彼らは我が国の民衆全体の中で最も才能豊かな、最も力強い人なのではあるまいか」とまで誉め讃えた。素晴らしい人材が誤って犯罪者になることもあろうが、大半の出所者は標準以上に危険な人だろう。
出所者の就労率を高めたいのであれば法務省もリスクを負うべきではないだろうか。例えば出所者のランク付けをして、トラブルが起こればそのランクに応じて補償をするという仕組みがあっても良かろう。使用者側に全責任を押し付けるのは無責任過ぎる。
出所者の就労率を高めたいという意図は理解できる。しかしそのために誤解を招き易いようなデータに頼るべきではない。安全性も危険性も事実に基づくべきだ。危険を煽ることも安全と偽ることも誤魔化しだ。正しいデータに基づかなければ判断を誤る。