給料が高額であるということはその企業の長所と通常は考えられる。経営がしっかりしていて社員の待遇も良ければ優良企業と言えるだろう。
しかし高過ぎる給料のために経営難に陥っている企業がある。アメリカのビッグ3と言われるGM、フォード、クライスラーの3社だ。
アメリカの自動車業界人の給料が高いのは20世紀初期のフォード社に始まる。フォード社では自社の社員が自社の商品(自動車)を所有できるようにするという高い理念を実現するために当時としては画期的な高賃金策を採った。高賃金で優秀な労働者を集め、オートメーションシステムと徹底した分業によって高度で熟練した労働者を育成して大量販売を実現し、高収益企業となった。
日本と違って産業別労働組合が主流のアメリカでは他の自動車メーカーも高賃金策を採らざるを得なかった。その結果ビッグ3の社員の給料は日本では非常識と思えるほど高額だ。
現役労働者の賃金だけではない。退職者の企業年金も日本円に換算して平均で約500万円と言われている。幾ら労働者を優遇することが必要でもここまで手厚いとさすがに無理が生じる。
こんな高賃金を支給するためには高付加価値の商品を大量に販売し続けることが必要になる。経営は付加価値の高い大型車に頼らざるを得ない。企業が儲けるために存在するのではなく、むしろ高額の給与を支払うために企業が存在するような状態になってしまった。
そこへ(相対的に)低賃金の労働者を使うトヨタやホンダやニッサンがやって来て低付加価値の小型車をどんどん売り出した。ビッグ3が苦境に陥るのは当然だ。これはかつて安価な中国製品が日本に流入して日本のメーカーが駆逐されたのと同じ構造だ。
現在ビッグ3は公的資金の投入によって辛うじて生き延びれいるに過ぎない。まともに生き延びるためには経営構造の改革(本来の意味でのリストラ)と高過ぎる賃金の見直しが必要だ。
しかし賃下げは労働者としては承認し難く、強力な全米自動車労働組合が認める筈が無い。高い賃金は労働者の権利だと彼らは主張する。
賃金を見直すためには公的資金の投入ではなく倒産というショック療法が必要なのかも知れない。倒産から連邦破産法(日本での民事再生法)に至れば、高賃金のせいで経営が成り立たないという事態からは脱却できる。労働者も経営が成り立たなくなるほどの既得権益にいつまでも甘えている訳には行かないだろう。
しかし高過ぎる給料のために経営難に陥っている企業がある。アメリカのビッグ3と言われるGM、フォード、クライスラーの3社だ。
アメリカの自動車業界人の給料が高いのは20世紀初期のフォード社に始まる。フォード社では自社の社員が自社の商品(自動車)を所有できるようにするという高い理念を実現するために当時としては画期的な高賃金策を採った。高賃金で優秀な労働者を集め、オートメーションシステムと徹底した分業によって高度で熟練した労働者を育成して大量販売を実現し、高収益企業となった。
日本と違って産業別労働組合が主流のアメリカでは他の自動車メーカーも高賃金策を採らざるを得なかった。その結果ビッグ3の社員の給料は日本では非常識と思えるほど高額だ。
現役労働者の賃金だけではない。退職者の企業年金も日本円に換算して平均で約500万円と言われている。幾ら労働者を優遇することが必要でもここまで手厚いとさすがに無理が生じる。
こんな高賃金を支給するためには高付加価値の商品を大量に販売し続けることが必要になる。経営は付加価値の高い大型車に頼らざるを得ない。企業が儲けるために存在するのではなく、むしろ高額の給与を支払うために企業が存在するような状態になってしまった。
そこへ(相対的に)低賃金の労働者を使うトヨタやホンダやニッサンがやって来て低付加価値の小型車をどんどん売り出した。ビッグ3が苦境に陥るのは当然だ。これはかつて安価な中国製品が日本に流入して日本のメーカーが駆逐されたのと同じ構造だ。
現在ビッグ3は公的資金の投入によって辛うじて生き延びれいるに過ぎない。まともに生き延びるためには経営構造の改革(本来の意味でのリストラ)と高過ぎる賃金の見直しが必要だ。
しかし賃下げは労働者としては承認し難く、強力な全米自動車労働組合が認める筈が無い。高い賃金は労働者の権利だと彼らは主張する。
賃金を見直すためには公的資金の投入ではなく倒産というショック療法が必要なのかも知れない。倒産から連邦破産法(日本での民事再生法)に至れば、高賃金のせいで経営が成り立たないという事態からは脱却できる。労働者も経営が成り立たなくなるほどの既得権益にいつまでも甘えている訳には行かないだろう。