湯島聖堂の屋根上には、他の聖・霊獣とともに鬼ギン頭(きぎんとう)と呼ばれる、シャチホコの一種がある。通常のシャチホコは虎頭魚尾だが、ここのは、龍頭魚尾で頭から水を噴き上げている。形態は、一種の鯱(しゃち)型で、龍頭魚尾、二脚双角頭より潮を吹き上げ、頭を外側に向けて取り付けられている。鯱が水を噴出して火災から建物を守る目的で置かれたことがよくわかる屋上の聖獣である鬼龍子(きりゅうし)は、聖堂の大成殿屋根、流れ棟の四隅角に鎮座。形態は、狛犬に似た姿で、顔は猫科の動物に似ており、牙を剥き、腹には鱗があり蛇腹・龍腹となっている。想像上の霊獣で、孔子のような聖人の徳に感じて現れるという。
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昭和10年(1935)の復興聖堂の設計を担当した伊東忠太
博士の考案した棟飾り。