今回のNコン青森県大会の審査に参加して、初めて青森県内の小中高生の合唱をたくさん聞くことが出来たことは、私にとって大きな収穫であった。中でも、八戸東高等学校の演奏はえもいわれぬ感慨を持って聞いた。「私の知っている彼女たちもこの制服を着て歌っていたのだ!」という思いが浮かぶと共に何人かの顔が浮かんできたものである。
実は8703が高校教師から札幌の静修短期大学(現札幌国際大学)へ転勤して約10年、毎年八戸東高等学校出身の学生が合唱団へ来てくれていたのである。その学生たちを中心に約30名、ユニークな定期演奏会を続けていた。当時の八戸東のレパートリーは、ほとんどが外国曲であったので大学へ来て突然青島作品などに遭遇して面食らっていた人もいたようであった。しかし、そこは若さの特権で間もなく日本の音楽にも馴染んで、大いに活躍してくれた。
今回聞いた八戸東の演奏は日本の曲を、大変素晴しく歌っていた。何よりも良く訓練された声の魅力は素敵であった。青森県代表として東北大会でも良い結果を得るのではないかと期待している。ただ、今回は事前にどなたにも連絡をせずに行ったので、現地にいるであろう卒業生、そして当時の顧問であった伊藤千蔵先生との再会が出来なかったことが残念であった。