コロナ騒動が始まってから初の東京訪問であったが(ということは、今年初めて?)、豪雪で悲鳴を上げている岩見沢人としては、雪の無い冬はうらやましく感じた。相変わらず人が多く、道を歩いていても、電車に乗っても、いたるところに蜜がある。あの状態で、夜だけ飲食店を10時閉店にする意味がよくわからないのが実感である。したがって、東京ではコロナの感染が激減することはあり得ないであろうとも感じたところである。マスクはほとんどの人はしているが、蜜を避けるという意識は低いようである。
そのような状況下で行われた慶應義塾大学楽友会の69回定期演奏会は見事に成功した。入館者を半数以内に限定しての演奏会であったが、入館者も多く、何よりも団員諸君の絶対成功させるぞ!という意気込みがグイグイと迫ってくるような演奏の連続であった。聞くところによれば、8月までは対面練習は全くできず、本格的な練習に入ったのが9月になってからとのこと。その間、リモート練習などを試みて出来得る限りの練習、準備を重ねていたそうである。それにしても厳しい練習環境下で、あそこまで見事に仕上げた努力は立派と言う他はない。
楽友会以外にも演奏会を実施している大学合唱団はあるが、ほとんどが私立大学である。国立大学は?と思い調べてみると、軒並み演奏会どころか、練習することさえも禁じられているようである。細心の注意と対策の上で演奏会を成功させている大学もある中、全く活動を禁じてしまう国立大学の姿勢。そして、それに甘んじる学生たち。この格差は何なのだろう?と不思議に思うのは私だけであろうか。面倒なことは極力避けようとする管理側と、何事にも従順である今どきの学生(若者)による合作と言えそうである。素晴らしい若者たちの歌声に癒され、懐かしい顔ぶれにも接することができ、充実の2日間であった。