電脳くおりあ

Anyone can say anything about anything...by Tim Berners-Lee

「プロゴルファーさくら 旅立ちの秋」

2004-11-06 15:27:26 | スポーツ・ゲーム
 昨日の夜、NHK総合テレビで人間ドキュメント「プロゴルファーさくら 旅立ちの秋」が放映された。横峯さくらのいままで知らなかったいくつかの興味深い側面を見ることができた。まるで、どさ回りの役者のように、親子二人、マイクロバスで日本全国を転戦する姿は、微笑ましい。また、ほとんど女の気持ちなどわかっていないようで、平気な顔をして娘のゴルフウエアのアイロンかけをしていた父親と、何となく気恥ずかしいようで、まるで怒っているかのように対応する娘のさくらの様子が印象的だった。
 横峯さくらのゴルフの魅力は、全くの我流の豪快なスイングと、負けん気の強さにあるしかし、彼女は、若く、かわいらしい女性だ。金さえあれば、新幹線や飛行機で現地へ行き、ゴルフ場の近くの心地よいホテルに宿泊し、タクシーでゴルフ場へ行きたいに違いない。聞くところによると、ゴルフの試合に出るためには交通費なども含めて1回20万円くらいの費用がかかるそうだ。しかも、試合に出ても予選を通過しない限り、1銭ももらえない。だから、プロになってもトーナメントで上位にいかないと生活は苦しい。

 宮里藍が今年4勝し、賞金総額がもうすぐ1億年になろうとしている。これは、20歳前の女子のスポーツでの稼ぎとしては最高だそうだ。つまり、ゴルフというのは、女子のスポーツでは最も稼げるスポーツだと言うことになる。おそらく、横峯親子の夢は、ゴルフで自分たちの実力を示し、沢山稼ぐことだと思う。そして、今のハングリーな生活から抜け出すことだと思う。そうすることにより、今まで周りの人たちから自己流のゴルフのやり方に対するさげすみを受けてきたことに対して見返しもできるはずだ。それは、悪いことではない。

 さくらのキャディーを務めるのは居酒屋を経営する父・良郎さん(43歳)。練習場は鹿児島の自宅近くの山を切り開いた手作り。またマイクロバスをこれも自前で改造し、さくらと寝泊まりしながらツアーを転戦する。その間、母の絹子さんは、一人で居酒屋を切り盛りする。いま一家は、さくらの夢を中心にまわっている。


 ところで、横峯一家は、このほかにさくらの姉が二人いるはずだ。NHKのドキュメンタリーでは一言もそれに触れられなかったように思う。二人ともゴルフをやっているはずだ。長女は横峯留衣でさくらの1年前にプロゴルファーになっている。次女については、よくわからないが、3人姉妹だということは知っている。彼女たちは、おそらくさくらほど才能がないのかもしれない。しかし、彼女たちがゴルフに対してどのように考え、さくらに対してどのように考えているのか、知りたかった。この映像では、父親も母親もさくらだけを大事にしているように見える。長女も次女もすでに片づいたということかもしれない。

 タイトルの「旅立ち」の意味は、おそらく、さくらが自立し、1人でゴルフをやっていけるようになることを意味するのだろう。その意味では、日本女子オープンゴルフ選手権競技で2位になり、ほぼ来年のシード権を確保したことよりも、父親とこれに勝ったらキャディーをやめてもらうことを約束したステップアップ競技で優勝したことのほうが意義は大きい。ステップアップ競技では、専属キャディはだめなので、さくらは自分ひとりで戦わなければならなかった。

 少女から大人になること、アマからプロになったこと、今年既に1500万円以上稼ぎ、経済的にも自立できるようになったこと、そして父親から離れて自分ひとりで戦い勝ったこと。父親の良郎さんは「少しさみしい」とつぶやいていたが、さくらは何時までも子どもで父親の庇護のもとにいたくないのが当たり前だ。よけいなお世話かもしれないが、良郎さんは、これからスターの道を歩むことになるさくらの代わりに、他の二人の姉の幸せを考えてあげたほうがいいのではないかと思ってしまった。さくらの夢のこれからだが、良郎さん夫婦はこれでさくらの戦いには一区切りがついたと考えた方がいいと思ったからだ。

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