今年は9月になっても真夏日、猛暑日が続き、植物園の散策もままなりませんでした。
特に世界のいろいろな花や薬草などが咲き乱れる四季彩の丘はムーリー
だって、木がないから日光直撃でしたもの。
でも10月に入り、ようやく気温が落ち着きました。
ということで、今回は四季彩の丘を始めとする希少種園などをゆっくりと見て回れました。
もう秋ですね~
四季彩の丘の縁にはコキアが真っ赤に色づいていました。
朝晩の気温差が大きいので、鮮やかになりましたね。
とはいえ、まだまだ夏の花も・・・スイフヨウ、いつも10月まで咲いてましたっけ?
咲き始めが白、徐々にピンクになり昼には赤になるので、酔っぱらう、酔芙蓉と名付けられました。
でも秋になると、一本の木に全部の色が見られます。
おや、こちらではフジバカマも沢山。
後は順不同で~
キクが咲いていました。もってのほか!
もう菊の季節だから、その言い方はないでしょう。
いえいえ、品種名が「もってのほか」。有名な食用菊です。
イタドリのような花が棚の上で咲いてる?
こちら何の花か分からなかったのですが、どうもツルドクダミ(タデ科ツルドクダミ属)ではないかと。
別名カシュウといい、根茎が生薬になるそうです。
ドクダミという名前が付いていますが、ドクダミ(ドクダミ科ドクダミ属)とは縁もゆかりもありません。
写真を撮っていたら、近くにいたオジサンに声をかけられました。
「あそこに白アケビの実があるよ」
白アケビ?
なるほど、皮が白っぽいのですね。
見ていると、親切なオジサマは来る人来る人に声をかけて教えてさしあげていました。
アケビ科アケビ属です。
さらに歩いていくと、こんな花が。
見たことのない花ですが、よく見ると見たことあるような気も・・・
名札を見ると「ヒメフヨウ」。アオイ科ヒメフヨウ属。
なるほど!温室の定番植物、ウナヅキヒメフヨウにそっくりですが、頷いていません。
前にオニバスやスイレンが咲いていた池付近は何も咲いていませんでした。
なので、希少種や中国産の植物のエリア方面に移動。
ここでも結構面白い植物が見られます。
シロバナマンジュシャゲ(ヒガンバナ科ヒガンバナ属)ですね。
普通の野菊のような花。
でも葉がすごく細いのが特徴の、ヤナギノギク(キク科シオン属)。
伊豆以西の蛇紋岩地帯に咲くそうで、遠目には全然ノギクっぽくありません。
こちらはヨツバハギ(マメ科ソラマメ属)という名札がありました。
京都では希少種なんだそうです。
ちょっとナンテンハギにも似ていますね。
クサボタン(キンポウゲ科センニンソウ属)が咲いていました。
くるんくるんカールした花弁が可愛い~
センニンソウ属といえば、あの花は咲いているでしょうか。
お~咲き始めですね!
和製クレマチス、タカネハンショウヅル(キンポウゲ科センニンソウ属)です。
花は少なかったですが、つるは元気です。
少し移動。広い園路の反対側にも魅力的な花が。
こちらアキザキスノーフレーク(ヒガンバナ科アキス属)です。
春に咲くスノーフレークと似ていますが、属が違います。
原種シクラメンも咲いていました。
こちらの赤い花、ヒガンバナ科は間違いありませんが、名前不明。
そして今の時期に似合うこちらの花。
水車小屋を背景に風情がありますね~
ご存じシュウメイギクは、紅白そろって咲いていました。
こちらで、四季彩の丘付近で咲く花はおしまい。
明日は、もみじ園とさくら園です。
【撮影:2023/10/14 京都府立植物園】
しつこく植物生態園の花が続きます。
今日は前に海岸植物をご紹介した辺りからです。
これって一応ヒント(笑)
最初はこちらです。
紫色でツンツン飛び出た蕊が可愛いこの花。葉はちょっと厚手ですね。
ハマゴウ(シソ科ハマゴウ属)です。
本州以南の海岸に自生しますが、琵琶湖沿いにも咲いているそうです。
続いて同じく青紫のこの花。
今年は見られないと思っていましたが、まだ少し咲いていました。
名前はこの毛むくじゃらの萼から。
タヌキマメ(マメ科タヌキマメ属)です。
日当たりのよい草地に生え、植栽もされますが、京都での自生地はほぼ絶滅だそうです。
前にミソハギやミズトラノオなどが咲いていた池の中は今はなにもありません。
でも畔には・・・
ほ~ら、咲いてた!
花を大きくしてみると・・・
クロバナヒキオコシ(シソ科ヤマハッカ属)です。
ヒキオコシはもっと地味なイメージですが、京都府立植物園のクロバナヒキオコシは綺麗です。
お隣にはそろそろキクタニギクの葉が繁っていると思いきや・・・
キクタニギクのかけらもなく、緑の葉が繁っています。
あ、花が咲いてる!
うっそ~、なんで!?
花の中心が濃い褐色の黄色のホオズキ、こちらはセンナリホオズキ(ナス科ホオズキ属)のようです。
勝手に咲くとは思えないので、植えたのでしょうか。
南米原産ですが、江戸時代に日本に持ち込まれ、ほおずき市で売られた歴史もあったようです。
場所を移してまた別の園路へ。
ナス科が出たところでもう一つ。
植物生態園でも見られるとは思っていませんでした。
実も生っていました。
こちらはヒヨドリジョウゴ(ナス科ナス属)。
赤や緑の実がたわわに実る様子は、モビールのようで可愛いです。
こちら、夏の間は枯れ木のようでしたが、葉が出てきていました!
オニシバリ(ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属)です。
別名ナツボウズ。
さらに進むともう終わりかけでしたがこちらの花が。
ちょっとサラシナショウマにも似ていますが、分岐した茎の先にいくつも花が咲いています。
イヌショウマ(キンポウゲ科サラシナショウマ属)です。
なぜか一番いいタイミングで見られません。
なぜ犬なのかと思って調べてみました。
予想通り、サラシナショウマの葉は食べられるのに、こちらは食用にならないから。
やっぱり人間本位で、犬にも植物にも失礼な名前ですよね。
アザミが咲いていましたが、前に載せたオハラメアザミとは違います。
結構大振りですが、フジアザミほどではありません。
名札にはサワアザミ(キク科アザミ属)と。
前に米原の山室湿原で見たことがあります。
さらに進み、もう一つの小さい湿地の方へ。
わあ、満開!それにしてもごちゃごちゃですね・・・
でも花を見ると結構綺麗!
Part1で出てきた花とちょっと似ているでしょう。
こちらはカメバヒキオコシ(シソ科ヤマハッカ属)。
葉がカメのような形だからだそうですが・・・
隣ではまだ咲いていました、こちらの花。
ヒヨドリバナ(キク科ヒヨドリバナ属)です。
よく似たフジバカマはもう終わっていました。もちろんアサギマダラもいません・・・
あと2つです。頑張って!
黄色いサルビアのようですね。
踏まれそうな場所に咲いていました。
こちらキバナアキギリ(シソ科アキギリ属)です。
サルビアに似ているのも当然、アキギリ属=サルビア属です。
最後はこちら。
イセハナビ(キツネノマゴ科イセハナビ属)です。
最近よく登場するユキミバナやスズムシバナと同じ属です。
皆様、お疲れさまでした。
これで植物生態園の花クイズはおしまいです。
最終回はちょっと難しかったでしょうか。
明日からは、その他の場所で見た花など載せていきますね~
【撮影:2023/10/14 京都府立植物園】
植物生態園花クイズ第2回です。
今日は池経由で湿地ゾーンに続く園路から。
お~満開でしたね。
この花自体のイメージから名前が付けられたのかと思いきや・・・
冬になると、枯れた茎の根元にできる美しい氷の芸術。それが名前の由来となりました。
ご存知、シモバシラ(シソ科Collinsonia属)です。
私としては、歯ブラシ上の花穂が印象的。
池の畔の園路が整備されていたので進入。
咲いていたのは今年大繁殖のこちら。
何度もご紹介しているこちらの花は・・・
ヒメジソ(シソ科イヌコウジュ属)です。
植えたのかなあ・・・
でその隣に咲いていたのが、
もう終わりかけのキンミズヒキ(バラ科キンミズヒキ属)です。
先に進み、いざ湿地ゾーンに行こうと思ったらなんとまだ立ち入り禁止!
こういう場面を見ると、生態園どうするの?と心配になる今日この頃・・・
木道の右手には紅白の花が沢山。え~い、クイズだ!
こんなボケボケの写真ではわからない?
では、池の畔で撮っておいた撮っときの写真をどうぞ。
京都府立植物園でしか見られない、紅白コラボのツリフネソウ(ツリフネソウ科ツリフネソウ属)。
初々しい双子コラボです。
ところで、昨日正面花壇で沢山さいていたホウセンカですが、こちらもツリフネソウ科ツリフネソウ属。
ツリフネソウをすごく有難がっていましたが、お馴染みホウセンカのご親戚だったんですね~
ホウセンカと言えば実がパチンと弾けることで有名(なので花言葉は「短気」「私に触れないで」)
同じツリフネソウ科のツリフネソウも実がパチンと弾けるというのは以前投稿した通りです。
立ち入り禁止バーの左手に黄色い花が見えました。
他の草が邪魔でこんな写真しか撮れませんでしたが、お分かりでしょうか。
こちらはマツムラソウ(イワタバコ科マツムラソウ属)です。
いつも書いていますが、石垣島と西表島にしか自生しないこの花が京都で元気に毎年咲くのが不思議。
湿地ゾーンの向こうにもいろいろな秋の花が咲いているはずです。
仕方ないので、ぐるっと遠回り。
その途中の小川に浮かぶ花・・
下に何か落ちていたら上を見上げる法則に従い上を見ると、高木にこんな花が・・・
もう終わりかけのようで、どれも茶色くなりかけていました。
これをご存知だったらすごいです。もちろん私も初見。
幸い名札がありました。ハマビワ(クスノキ科ハマビワ属)。
ビワと付いていますが、クスノキ科でした。海岸に生えるビワに似た木ということのようです。
ここからは結構よく見かける花が多いので、たたたーっといきますね。
まずはこちら。
シオン(キク科シオン属)です。シオン属といえば、野菊の属。
これから、シオン属が続々と咲いてくる予定。
下を見ると、ほら、早速シオン属を見つけました。
野生の花もよく見かけます。シロヨメナ(キク科シオン属)です~
湿地ゾーン突き当りのエリアに入ります。
まず一輪だけ残っていたこちら。
アキチョウジ?と思いましたが名札を見ると、セキヤノアキチョウジ(シソ科ヤマハッカ属)。
ヤマハッカ属もちょうどこの時期台頭していますね!
続いてほとんど種になっていましたが、ほんの数輪だけ咲いていたこちら。
カリガネソウ(シソ科カリガネソウ属)です。
下の方に茶色い種も見えていますね。
そろそろこの辺りに沢山咲くはずなのですが・・・おや、まだ早かったかな。
あ、一本だけ、私の好きな銀色蕊のこの花が咲き始めていました。
ツルソバ(タデ科イヌタデ属)です。
あまり近場では見かけないと思っていたら、海岸沿いに自生するそうです。
花も好きですが、葛饅頭のような実もお気に入り。
さて本日最後はこちらです。
ご存知、ナンバンギセル(ハマウツボ科ナンバンギセル属)です。
ハマウツボ科といえば寄生植物、こちらはがっつりススキに寄生しています。
茎のように見えるのは花柄だとか。
まだ同じゾーンに植物が結構咲いていましたが、長くなるので今日はここまで。
皆さんいかがでしたでしょうか。
【撮影:2023/10/14 京都府立植物園】
最初にお断りから。
昨日書き忘れましたが、本日久々の出張につき、コメ欄お休みします~
ということで今日はこれから増えるであろう冬鳥さんたちの記事の予告編です。
昨日の朝6時半頃、玄関の外から、ヒッヒッヒッ コトコトコトと懐かしい鳴き声が。
これはひょっとして!?とそ~っと戸を開け、道路を挟んだ向かいの木を見ていると・・・
いた!ふっくら真ん丸のジョウビタキが鳴きながら枝から枝へと飛び交っています。
しかも、二羽!!
どちらもオスのようでした。
渡って早速縄張りづくりをしているのでしょうか。
結局一羽は早々に飛んで行き、もう一羽はしばらく隣の3階建ての建物の隅っこに止まってヒッヒッヒッ。
勝利宣言!?
あいにく、カメラが手元になかったので取りに戻ると、もういなくなっていました。
そのあとも、何度かヒッヒッヒッを聞き、そのうち一度は電線に止まっているところも見られました。
外出先でも、目の前の植え込みががさがさっといったかと思うと、中からジョビ太。
もう嬉しくてたまりません。
今回は写真を撮るタイミングがありませんでしたが、楽しみが増えました。
そうそう、庭のキンモクセイ、一昨日の雨であっという間に散ってしまいました。
朝まだ暗いときの写真しかありませんが、せっかくなので、載せておきますね。
何度見ても、可愛い花ですね。
後は、代り映えしませんが、庭のお花たちを貼っておきますね~
先日出せなかった緑系のコリウスも頑張ってます。
【2023/10下旬 宇治市】
京都府立植物園に行くとまず向かうのは植物生態園。
日本全国の在来の植物が所狭しと育てられています。
今回もいの一番に植物生態園へと向かいました。
ところが、梅園前の入り口にある「今咲いている花」の看板がない!?
新構想実現までは無駄に手を入れたくないのでしょうか、 壊れたら壊れたままになっているのかも・・・
先行きが不安になりますね~
そんな私の不安とは無関係に、植物生態園はいつもの通り静かに季節の花を咲かせていました。
昨日予告した通り、ここから先は簡単な説明、写真、名前の順で載せていきますね~
いくつお分かりでしょうか?
ちなみに並び順は見た順番です。よくご存じの方は、あ~あそこね、とご覧くださいませ。
球根ガーデン横の入り口近く、遠目にも鮮やかなオレンジの花が・・・
ヒガンバナのオレンジバージョンのようですね。
こちらはショウキズイセン(鍾馗水仙;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)。
疫神を払ってくれる鍾馗様のお鬚のような花弁ということで名づけられたそうですが・・・
ちょうど満開で綺麗でしたね~
次は実です。
弾けている実は少なく、むしろまだ緑の実も結構ありました。
この辺りで候補は絞れてきたはず。
決めてとなるのは葉でしょう。葉の様子がよく写っている写真があったのでどうぞ。
答えは・・・タンキリマメ(マメ科タンキリマメ属)です。多分・・・
多分というのは、タンキリマメとそっくりなトキリマメという草があるから。
葉の形がタンキリは中央部分が広く、トキリは根元が広くなっているので、こちらはタンキリマメだと思います。
続いて、もしジグソーパズルにしたら気がくるいそうな植物です。
もう花は終わり実になっています。
こちらはノダケ。見ての通りセリ科シシウド属です。
暗紫色の花を付けますが、実になったばかりは緑色。
生態園の道を歩いていくと、左手に綺麗な青紫の花を沢山付けている植物が登場。
今年も咲いてる!シソ科でしょうか。
こちらはサンインヒキオコシ(セリ科ヤマハッカ属)です。
こちらも一番いいタイミングで出会えたようです。
アップで撮ると、見つめられていました~
続いてこちらもまだ咲きはじめ。
色々な種類がありますが特に名札はなく・・・
点々のある花が主流ですが、まだまだ花が咲いている場所は少なかったです。
どちらもホトトギス(ユリ科ホトトギス属)です。
上の方はシロバナホトトギス、下の方はホトトギス(ザ・ホトトギス)でしょうか。
うちの庭のホトトギスはまだやっと堅い蕾がつき始めたばかりです。
お次はまだ咲き初めでしたが・・・
これってアザミじゃね?
それは分るんですけど、何アザミかっていうのが難しいんですよね~
でもこちらでは簡単。名札がついてるので、すぐに分かります。
日本固有種、オハラメアザミでした~
背が高くなり沢山の花を付ける種類です。
そのせいか、年々咲いている場所が広がり、その辺の木の下などでも普通に咲いています。
こちらはこの時期、木好きなつみかんイチオシの高木。
というのも、落ちた葉からまるでカラメルのような甘~い香りがしてくるから。
ザクザク落ち葉を踏んで歩いているだけでとっても幸せ~
もちろん、色づきかけたハート型の葉も大好きです。
こちら、カツラ(カツラ科カツラ属)のハート型の葉です~
ここから3連続オレンジの実特集~
最初はこちら。
実では分からなくても、葉で分かりますよね。
スズラン(キジカクシ科スズラン属)です。
あの可愛い白いふっくらベル型の花は皆知っていますが、こんなオレンジの実が生ったとは・・・
池方面に進みます。
おや、頭上注意の看板が。何があるというのでしょう。
答えが書いてありますね(笑)
見上げると実が沢山!
カキノキ(カキノキ科カキノキ属)です。実の生っているところを見せるためあえてそのままにしてるそうですが・・・
柿が生っているところはまだあちこちで見られますよね。頭に当たった人は大当たり~
あれ、あそこにもオレンジの実が見えますね。
柿の実?いえいえサイズが全然違います。
こちらは葉が見えていないので分かりにくいかもですが、ヤブサンザシ(スグリ科スグリ属)です。
スグリ科という聞き慣れない科ですが、以前はユキノシタ科だったそうです。
ということでいくつお分かりでしたでしょうか。
たまたまオレンジ色の実が3種類集まったのがちょっと面白かったですよ~
【撮影:2023/10/14 京都府立植物園】