(ガートに刻まれたインド3大神)
<日の出の火葬場>
朝からものすごい霧である。
火葬場のあるマカニカルガードまで走って行くことにした。
(ちなみにカソウバという日本語はバラナシでは誰もが知っている)
走るといっても犬に追いかけられない程度のスロージョギングである。
まだ薄暗い中を走るので、なんとなく気味が悪い。
ただ、犬だけは元気でスロージョグでも追いかけてくる犬がいて、しかたなく木の枝でひっぱたく。
叩かれて、キャイン、キャインの悲鳴が薄暗い沐浴場の静けさを破壊する。
というわけで、最後は歩きになってしまった。
火葬場に着いたら、ちょうど日の出だった。
なんともいえない不思議な景色だった。
朝靄に浮かぶ真っ赤な太陽、まだ薄暗い火葬場では積み上げられた薪のうえに、遺体が乗せられて焼かれていた。
そのとき、遺体はすでに真っ黒で顔立ちはハッキリしていた。
人間が燃えるのを見るのは初めてだった。
なんだか、仏像の大黒天(注)が焼かれているみたいに見えた。
だけど、なんとなく肉の焼ける匂いがするから、人間である。
真っ赤な朝日がガンジス河を照らし、光の道ができてオレンジ色に燃える薪の上の遺体へ通じていた。
真っ黒な遺体の頭部が突然、パカッと真っ白になった。
頭蓋骨だった。
トマトの湯剥きのように綺麗に真っ黒な頭皮が割れたようだった・・・。
(これ以上は書きません。)
2匹の犬が焼けた人骨を奪い合うようにかじっていた。
牛が遺体を飾っていた花を食べに来ていた。
地面は遺体を覆っていた金銀色の飾りが無造作にゴミのように捨てられ、それが牛のウンコと混ざり合っている。
何故か周りは男だらけ。
親戚なんだと思うが、泣いてる人は誰もいない。
不思議に女はいなかった。
いても、外人の女だけだ。
(マカニカルガート:火葬場、河の船上から撮ったが、そのときは遺体は焼いていない。
後ろの建物はホスピスで各地から集まり静かに死を迎えようとしている人たちが寝転んでいる。)
薪で焼かれる人は裕福な人であるとL君から聞いていた。
焼くには250kgの薪が必要なのだが、薪代が高く(1kgでRs200)て、貧しい人は日本のような建物の中で電気を使って焼かれるそうだ。
そちらだと10分の1ぐらいの値段で済むらしい。
薪で焼かれても薪代が少なければ焼き方が不十分で、完全に骨になってない黒焦げの遺体もあって、それはガンジスに投げられる。
というか、残った骨などもすべてガンジスに流されるのである。
だから、インドの庶民にはお墓がないのだ。
だから、日本のようにお墓の維持みたいなことはなくて、焼かれる費用は高いけれど、それ以上のお金はかからないのである。
ハチャメチャでありながら、不思議と合理的なのである。
写真を撮ることは禁止されていて、写真を撮っていた欧米人とガートの管理者だろうか、インド人と揉めていたようだった。
写真をとることができないなら、自分のためにスケッチをしようとガートの片隅で絵をかいていた。
だが、興味心の強いインド人は俺の周りに集まってしまい、しかも、俺に英語で話しかけてくる。
やりにくくて、途中で切り上げてしまった。
(薪は量り売りされている)
日も徐々に高くなり、ホテルに一度戻って屋台で朝食をとるべく、引き返したのだったが・・・。
(つづく)
注
【大黒天】
<ヒンドゥー教>
インドでは、全てのものを破壊し、また救う、シヴァ神(大自在天)の化身であるマハーカーラ(摩訶迦羅)とされる
「マハー」は大、「カーラ」は黒色を意味する
青黒い身体を持つ破壊の神・戦闘の神、生産の神とされる
象皮を被り、髪の毛を逆立て、一面二臂か三面六臂の恐ろしい忿怒形(ふんぬぎょう)で「降魔大黒天」と称される
当ブログは若者の自立を支援する団体、NPO法人ネイチャーズを応援しています。
NPO法人ネイチャーズは、走Run会名誉会長、ウィンドサーフィンの師匠の山下光哉さんが運営する若者のためのNPO。
悩める若者や親御さん、是非お御問合せください。丁寧に対応してくれると思いますよ。
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<日の出の火葬場>
朝からものすごい霧である。
火葬場のあるマカニカルガードまで走って行くことにした。
(ちなみにカソウバという日本語はバラナシでは誰もが知っている)
走るといっても犬に追いかけられない程度のスロージョギングである。
まだ薄暗い中を走るので、なんとなく気味が悪い。
ただ、犬だけは元気でスロージョグでも追いかけてくる犬がいて、しかたなく木の枝でひっぱたく。
叩かれて、キャイン、キャインの悲鳴が薄暗い沐浴場の静けさを破壊する。
というわけで、最後は歩きになってしまった。
火葬場に着いたら、ちょうど日の出だった。
なんともいえない不思議な景色だった。
朝靄に浮かぶ真っ赤な太陽、まだ薄暗い火葬場では積み上げられた薪のうえに、遺体が乗せられて焼かれていた。
そのとき、遺体はすでに真っ黒で顔立ちはハッキリしていた。
人間が燃えるのを見るのは初めてだった。
なんだか、仏像の大黒天(注)が焼かれているみたいに見えた。
だけど、なんとなく肉の焼ける匂いがするから、人間である。
真っ赤な朝日がガンジス河を照らし、光の道ができてオレンジ色に燃える薪の上の遺体へ通じていた。
真っ黒な遺体の頭部が突然、パカッと真っ白になった。
頭蓋骨だった。
トマトの湯剥きのように綺麗に真っ黒な頭皮が割れたようだった・・・。
(これ以上は書きません。)
2匹の犬が焼けた人骨を奪い合うようにかじっていた。
牛が遺体を飾っていた花を食べに来ていた。
地面は遺体を覆っていた金銀色の飾りが無造作にゴミのように捨てられ、それが牛のウンコと混ざり合っている。
何故か周りは男だらけ。
親戚なんだと思うが、泣いてる人は誰もいない。
不思議に女はいなかった。
いても、外人の女だけだ。
(マカニカルガート:火葬場、河の船上から撮ったが、そのときは遺体は焼いていない。
後ろの建物はホスピスで各地から集まり静かに死を迎えようとしている人たちが寝転んでいる。)
薪で焼かれる人は裕福な人であるとL君から聞いていた。
焼くには250kgの薪が必要なのだが、薪代が高く(1kgでRs200)て、貧しい人は日本のような建物の中で電気を使って焼かれるそうだ。
そちらだと10分の1ぐらいの値段で済むらしい。
薪で焼かれても薪代が少なければ焼き方が不十分で、完全に骨になってない黒焦げの遺体もあって、それはガンジスに投げられる。
というか、残った骨などもすべてガンジスに流されるのである。
だから、インドの庶民にはお墓がないのだ。
だから、日本のようにお墓の維持みたいなことはなくて、焼かれる費用は高いけれど、それ以上のお金はかからないのである。
ハチャメチャでありながら、不思議と合理的なのである。
写真を撮ることは禁止されていて、写真を撮っていた欧米人とガートの管理者だろうか、インド人と揉めていたようだった。
写真をとることができないなら、自分のためにスケッチをしようとガートの片隅で絵をかいていた。
だが、興味心の強いインド人は俺の周りに集まってしまい、しかも、俺に英語で話しかけてくる。
やりにくくて、途中で切り上げてしまった。
(薪は量り売りされている)
日も徐々に高くなり、ホテルに一度戻って屋台で朝食をとるべく、引き返したのだったが・・・。
(つづく)
注
【大黒天】
<ヒンドゥー教>
インドでは、全てのものを破壊し、また救う、シヴァ神(大自在天)の化身であるマハーカーラ(摩訶迦羅)とされる
「マハー」は大、「カーラ」は黒色を意味する
青黒い身体を持つ破壊の神・戦闘の神、生産の神とされる
象皮を被り、髪の毛を逆立て、一面二臂か三面六臂の恐ろしい忿怒形(ふんぬぎょう)で「降魔大黒天」と称される
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