越川芳明のカフェ・ノマド Cafe Nomad, Yoshiaki Koshikawa

世界と日本のボーダー文化

The Border Culture of the World and Japan

第1回 幻のキューバ  サンティアゴのブルへリア(4)

2011年11月17日 | キューバ紀行

 

 姉弟の小さな露台には、親指ほどの大きさの小瓶がびっしり並ぶ。

 黄や赤や青や緑の色染めの原料が入っている。

 ほかにも、透明の液体や色の異なる粉末が入った小瓶がある。

 レイナルド君は話すときに吃音になるが、商品について一つひとつとても丁寧に説明してくれる。

 これはコロホのマンテカ(脂肪質)掃除するときにバケツの中の水に溶かして使う。

 これはカカオのマンテカで頭髪につける。これはココナッツのマンテカで、蜂蜜とまぜて飲むと喉痛に効く・・・。

 ほかにアホンホリやペプサ、アルカンホル、アンモニアの小瓶もある。

(つづく)

 

 


 


第1回 幻のキューバ サンティアゴのブルへリア(3)

2011年11月17日 | キューバ紀行

 

  レイナルド君の肌の色は黒いが、目がややつり上がり、

  どことなく東洋風の面立ちが残る。

 姉のほうにはアジア人の面影はない。

 見るからに、ちょっと太めのムラータ(混血女)だ。

 ちょっと太めというのは、日本人の私が見てそう思うのであって、

 キューバでは太っている部類には入らないかもしれない。

 いま姉弟の二人が並んで立っていても、そう言われない限り、姉弟には見えない。

 二人の祖先には多様な血が混ざっているに違いない。

 レイナルド君にしても、片言でも中国語を話すわけではない。

(つづく)