我が家に掛け軸が一軸ある
正月にはふさわしい七福神の絵だ
父の残した唯一の遺産(笑) 価値はそんなにない 手入も悪く一部傷もある
我が家は どん底 極貧の戦後を生きたが 明治のころの家系は良く多分恵まれていた
祖父の代から昭和の初期に至るまで 掛け軸など多数蒐集していたようである
江戸時代は現在では遠く感じるが 当時は明治に変わって そんなに時期がたっていない
戦後すぐ 信州の山奥に開墾をしながら 電気もガスも水道もないところに住んだ
食べ物にも困窮して わずかに持ってきた掛け軸も母の多くの着物も 食糧に消えて行く
そして 父も気に入っている この七福神の掛け軸を手放そうとした時に祖父が夢枕に立ったそうだ
これだけは手放すな こう言われて 以後 どんなに貧しくても大切にしてきた
父は正月になるとこの掛け軸を飾っていたのを思い出す
画は狩野派の誰かが書いたことは間違いない
画風も確かに 似たようなものが美術館に飾られてる
しかし そんなに有名な作家では無かろう
狩野派は室町時代から江戸時代まで 時の将軍にも重宝され 江戸城の襖絵なども描く
ただ江戸時代になると およそ300人くらいの絵師が居て 系図だけでもかなりの数だ
祖父か父か定かではないが 少しでも有名な人の作である様に 肝心の落款を消してしまった
現在の技術なら消した後も レントゲンその他で浮かび上がることも可能だろう
しかし消したと言うことは それほど有名な画家では無いことが分かる
江戸以前の作品であることは分かる 祖父の代は江戸時代 血筋は良い家系だ
数年前 東大近くの本郷の美術商に無料鑑定してもらった
江戸後期の作品であることは間違いないと言う
1万円なら引き取りますよと言われた
表層も悪く傷もある これを飾るにふさわしいまでに修復するとして 30万円くらの価値なのだろう
我が狭いマンションに飾る場所も無く 隅っこに無造作に置いてある
とても私の後に残す代物では無い いつか欲しい方に譲った方が価値がありそうだ
もう一つ 小さな仏像がある 高さ17センチの像 何の仏か分からない
これは父が鉄くずを拾い集めて生活の足しにした頃 隅田川から拾い上げた
浅草の観音様の様だねと私が笑ったことがあるが そんなに威厳が無い
これも売るには忍びなかったようで そのまま 現在は母たちの写真のそばに置いてある
片足のつま先部分が 何かの災害で焼けたのか完全でなく焼け欠けている
これも簡単には処分できないからそのままだが いずれ断捨離の一部になろう
本当は この他に美人画の掛け軸が2軸あったが これはボロボロにしてしまい棄てた
最後までお読みくだ-さいまして有難うございました m(_ _)m
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