韓国、アーチェリー男子団体でも優勝…
金メダル手繰り寄せた「2.4センチ差」
中心に2.4センチ近く、決勝進出
台湾と決勝では6-0の圧勝
「彼らはまさにドリームチームだ」
場内アナウンサーの説明通りだった。またも韓国代表がアーチェリーで金メダルを獲得した。今度は男子団体戦だ。開幕4日間で3つの金メダルだ。残りの男女個人戦で優勝を飾れば、5個の金メダルを総なめすることになる。もし全種目を制覇すれば、2016年のリオ五輪に続き、歴代2番目となる。リオ五輪で成し遂げた「パーフェクトコリア」の再現が近づいている。
同日、オ・ジンヒョク(40)、キム・ウジン(29)、キム・ジェドク(17)で構成された男子アーチェリー代表チームは危機にも動揺しなかった。韓国代表チームは、東京の夢の島公園アーチェリー場で行われた2020東京五輪アーチェリー男子団体戦の決勝で、台湾を6-0(59:5/60:58/56:55)でくだした。同日、東京には台風8号が接近し、強い風が吹いていたが、韓国選手団は全く揺るがなかった。ベテランのオ・ジンヒョク、エースのキム・ウジン、新鋭のキム・ジェドクのチームワークが輝いた。
決勝より準決勝の方が厳しかった。韓国は開催国の日本と対戦したが、4-4の同点に持ち込まれ、シュートオフの末、辛うじて決勝行きのチケットを手に入れた。両チームの選手が1回ずつ射るシュートオフで、韓国と日本は同じく28点を記録したが、キム・ジェドクが中心部に一番近い矢を放ったおかげで、日本を制した。キム・ジェドクの射った10点の矢は中心から3.3センチ、日本の河田悠希の矢は5.7センチ離れていた。わずか2.4センチの差で、明暗が分かれたわけだ。試合後、オ・ジンヒョクは「キム・ジェドクは今日のヒーロー」だと称賛した。 大会2冠に輝いたキム・ジェドクは個人戦で3冠を狙う。
韓国は同日の勝利で五輪アーチェリー通算金メダル26個、銀メダル9個、銅メダル7個の総メダル42個の大記録を打ち立てた。名実共にアーチェリー最強国だ。これについて海外メディアは「夏の五輪は米国が水泳、ケニアが長距離陸上、韓国がアーチェリーで優勝する大会」だと表現した。
韓国アーチェリーの強みは何よりも厚い選手層にある。アーチェリー女子代表チームのキャプテン、カン・チェヨン(25)は25日、韓国アーチェリーが強い理由について、「紙一重の差で代表選考会で苦杯をなめるほど競争が激しい」と語った。実際、カン・チェヨンも世界ランキング1位だった当時、2016リオ五輪代表選抜戦で、1点差で代表入りを逃した。五輪金メダリストでも翌年の選考会で代表に選ばれる保証がないため、「韓国代表に選ばれるのが五輪の金メダルより難しい」と言われるほどだ。
代表選抜の公正性も強みに挙げられる。大韓アーチェリー協会は「毎年最高の実力を持つ選手を選ぶのが原則」だと強調した。実力以外は何も考慮しないということだ。昨年、韓国代表選考中に、東京五輪が延期されたことを受け、五輪代表選考会をやり直すことにしたのも「原則を守るため、悩んだ末に下した決定」だと協会は説明した。2012年ロンドン五輪金メダリストのオ・ジンヒョクと2021年にシニア舞台に初出場したキム・ジェドクが同じ舞台に立つことができたのもそのためだ。
徹底した準備も欠かせない。代表チームは今大会のため、鎭川(チンチョン)選手村と全羅南道新安郡慈恩島(シンアングン・チャウンド)に練習場を設けた。慈恩島は海風が強いなど夢の島に気候が似ている。実際、決勝当日台風で非常に風が強かったが、パク・チェスン総監督は「こうした状況に慣れた私たちにとっては、むしろ好条件」だと自信を覗かせるほどだった。自然環境だけではなく、標的板の後ろに壁と大型電光板を設置し、選手が的に照準する時に発生する光やまぶしさなどの状況も再現した。無観客試合に備えて空席まで用意した。
練習過程で五輪の進行方式を訓練に取り入れた。ランキングラウンド、混成団体戦、団体戦、模擬試合など、同じ競技方式のトレーニングプログラムを実施した。試合の状況による英語と日本語のアナウンサー放送を用意し、拍手はもちろん、カメラシャッター音のまで流した。五輪に対するマスコミの関心を考慮し、ミックスゾーン(競技会場に用意された取材用の場所)まで実戦のように運営して、選手たちがあらゆる状況に備えられるよう環境を整えた。
これまで蓄積してきたノウハウを基にした科学的トレーニング方法も韓国アーチェリーの大きな資産だ。顔面認識を通じて心拍数を測定し、選手がどのような状況で緊張するかを分析すると共に、脳波分析によって集中力が乱れる瞬間を捉える。このような資料が蓄積され、個人に合わせた緻密な準備が可能になった。今大会を控え、代表チームは選手個人に合わせた瞑想トレーニングアプリを作って活用したという。
男女の団体戦でそれぞれ勝利した韓国は、30日の女子個人戦と31日の男子個人戦で全種目制覇に挑む。
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