「感染症や気候危機、グローバル化と二極化のような深刻な課題の中で、いかに民主主義を守り、進展させるのか、ともに考え解決策を模索しなければならない」と述べた。

2021-12-13 09:02:22 | アメリカの対応

文大統領、

バイデン大統領の「価値観外交」に賛同しながらも米中間でバランス

登録:2021-12-11 03:35 修正:2021-12-11 08:11
 
民主主義サミットでの発言 
中国に向けた部分については言及せず
 
 
文在寅大統領が今月9日、大統領府のビデオ会議室で、ジョー・バイデン米国大統領が主宰する「民主主義サミット」にオンラインで出席し、バイデン大統領の開会のあいさつを聞いている/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は10日、「自由で独立したジャーナリズムへの支援」や「腐敗根絶」など、米国のジョー・バイデン大統領が民主主義を増進するために提案した議題に参加する意思を明らかにした。ただし、中国のインターネット検閲に向けた「民主主義のための進歩した技術」の要求など、米中の対立地点には立場を示さなかった。

 文大統領は同日午後、米国が主催した「民主主義サミット」に送ったビデオメッセージで「感染病や気候危機、グローバル化と二極化のような深刻な課題の中で、いかに民主主義を守り、進展させるかについて、ともに考え解決策を模索すべき」だとし、「提案としていくつかの考えを申し上げたい」と切り出した。

  文大統領はまず「フェイクニュースから民主主義を守ることができる自浄能力を養わなければならない」とし、「公益言論国際基金(IFPIM)の趣旨に共感する。ジャーナリズムの独立性を高めるため、共に努力する」と述べた。さらに「人権を促進し、擁護するため、国家レベルの努力と共に、途上国の女性たちの能力を育てるための開発協力事業も拡大する」とし、「政府の革新と透明性の強化のため、韓国の電子政府システムを途上国と共有する」と明らかにした。

 文大統領の言及は、バイデン大統領が民主主義サミットを通じて4億2440万ドルを支援するという5分野のうち3分野を取り上げたもの。バイデン大統領は「民主主義はチャンピオンを必要とする」とし、自由で独立したジャーナリズムへの支援▽腐敗の根絶▽民主改革家への支持▽民主主義のための進歩した技術▽自由で公正な選挙と政治的手続きの擁護の5分野に焦点を合わせると述べている。

 ホワイトハウスが明らかにした内容によると、「民主主義のための進歩した技術」は、デジタル権威主義からの防御とインターネットに対する権威主義的検閲への対抗などを目的としている。直接言及はしなかったが、中国などのインターネット検閲や5G(5世代)通信装備のセキュリティ問題などを批判したものとみられる。また、「自由で公正な選挙と政治的手続きの擁護」は、民主主義などバイデン大統領が掲げた「価値観外交」の主な内容だ。

 文大統領はこのような議論よりは、国内や世界が実質的に直面した新型コロナウイルス感染症への対応に焦点を当てた。前日の民主主義サミットの本会議で演説したように、コロナ禍で個人の自由と共同体の安全を調和させる民主的な方法を模索することが必要だと強調した。文大統領は「私たちは防疫やワクチン接種が個人の自由と衝突する姿を世界各地で目撃している。新しい形のオンラインメディアやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて急速に広がるフェイクニュースが嫌悪や憎悪、ポピュリズム、原理主義を拡散させ、さらにはワクチン接種の拒否を煽っている」と指摘した。

 しかし文大統領は「表現の自由という民主主義の信念と衝突する恐れがあるため、私たちは適切な抑制策を見つけられずにいる」とし、対応策を見つけるのが困難であることを認めた。さらに「感染症や気候危機、グローバル化と二極化のような深刻な課題の中で、いかに民主主義を守り、進展させるのか、ともに考え解決策を模索しなければならない」と述べた。

イ・ワン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

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