フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

流行の発生 (差異化と同調化)

2010年05月01日 23時50分26秒 | 社会・政治・思想哲学

 オルテガによると、大衆とは自らを評価しようとせず、みなと同じだと感じることに安心する人々だという。大衆の中では個人が集団の中に埋もれている。
 
 そこで、集団に埋もれた個人が、他人と自分は違うんだということを表現しようとする。これがよくいわれるアイデンティティの確立である。このように自分と他人を区別するようにして、他者との差異を表現し、個の確立を模索していく。

 差異を表現することで、新しい考えやファッションが生まれてくる。
 このような表現を、他者との「差異化」という。

 そして、その差異化された表現をかっこいいとか面白いとかいって、共感し真似する人々が現れる。
 そのかっこいいと思う人を真似ることは、その人に同調し受け入れてもらいたいということである。
 このような承認を求める欲求を「同調化」という。
 そして、ある新しい様式を真似る人が一定の人数になり、普及していく過程を流行という。

 まず、集団の中から個人がかっこいい表現をする(差異化)。そして、それを真似る(同調化)。集団が安定してきたところで、また別の表現をする人間が現れる。このようにして、流行は生まれ、繰り返される。

 流行は差異を生み出す人、それに同調していく人のダイナミックな社会的な動きである。

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