セクシャルブラックナイト

小雨の中TAXIで　

噂のあなたのいる店へ

一晩中カウンターで　

あなたはカクテルを傾けて

さりげなく喫煙所で　黒いドレスの　

煙草を吸うあなたに話しかけた

まるで黒い妖精のようだね

虹色の煙が出るような

セクシャルブラックナイト

一緒に踊ろう　思い切って誘った

肩を揺らすグルーブで　

「踊るのは久しぶりなの」

はじめて話す　互い初恋のように

あなたの黒いドレスのストラップが

ずれてセクシー

セクシャルブラックナイト

一緒に帰ろう　思い切って誘った

抜け駆けしてふたりきり

「抜け出すのははじめてなの」

はじめて語る　互い恋人のように

あなたの黒いドレスのすそが小雨に

濡れてセクシー

ハメを外していいじゃない

案外カタイあなただね

甘い時　見つめ合って

一夜のことじゃすませない

あなたの黒い瞳の奥に輝く

涙がセクシー…

ドリーミング・オールナイト

春がはじまって　季節も落ち着きだして

出歩くと陽射しがおでこに痛い

なにを見聞きしても　なにがニュースでも

関係ないことばかりが氾濫して

透明な海の底へ

今夜はドリーミング・オールナイト

少女のころへ戻るの

今夜はドリーミング・オールナイト

ハッピーエンドの物語

彼はわたしを純粋だって

見抜いてるようなことを言うけど

彼はわたしに隠し事の嘘

見え透いてて　そんなの大物じゃないわ

透明な空気に溶けて

今夜はドリーミング・オールナイト

少女のこころのままのわたし

今夜はドリーミング・オールナイト

王子様がやって来る

夢から覚めたら　現実が待ってるの

忙しいだけの日々　彼は王子様なんかじゃない

いい年の重ね方　ひとりの時間の過ごし方

たまに学生のころを想い出して

泣きたくなるけど

透明な時間の流れの中…

ひまわり

あなたはいつも僕のこと

父親に生き写しだと

失くした人を想い

僕を見つめる

いつになったら僕のこと

僕を僕と想うの

いつまで経ってもあなたは

僕越しに父を見る

悲しい夜は夜明けまで

ベッドで寝つくまで泣いている

そんなさみしい太陽

あなたをめぐる　僕はひまわり

そんなわびしい太陽

あなたをめぐる　僕はひまわり…

春なのに

季節はおだやか

人は歩き出す

こころを寄せ合うことも

できなくて

ひとりきり肘をついて

ため息をつくの

どうして人は誰もが

愛を探し求めて

春なのに

すれ違いを繰り返して

あなたと出会ってしまった

孤独なこころを知ってる

あなたに惹かれる

春なのに

触れ合ってはさり気なさに

ふっとこころが折れそうよ

不安なわたしの気持ち

悟られないように

なんでもないふりして　やさしさを分ける

悲しみに人は皆　愛を引き寄せるの

おびえるわたしの春に

あなたがやって来る…

街路樹

桜の花が散り　ハナミズキも舞い落ちて

緑化された道を通る　いつもの街角を振り返る

あのころのあの人はもういない

曲がり角の先　あの人の家がある

通り過ぎるとき　僕はわざと足を鳴らした

あのころのあの人の気を引くために

街路樹

振り切るために　今日も急ぎ足

振り返るたびに　あのころが想い出されて

生まれてはじめて僕にやさしくしてくれた

あの人を想って

初恋というには僕は幼くて

想い出にするには　あの人はまだあのころのまま

僕の胸に住み続ける

季節はいよいよ草木が生い茂り…