やあよのブログ

コツコツと詩を書いています。楽しく読んでいただければうれしいです。

実感

2024-03-31 07:36:10 | ポエム
今年も春が来て
あの人を思い出す

はじめて人を愛して
あの人は親友だった

いまごろ幸せに生きてるのかな
離れ離れになった
人は皆他人

寄せ集めの人間関係
ささやかな親切を
いまあなたとわかち合いたい
今夜の手料理 甘いスイーツ
おいしいねって
さみしさを持ち寄って

水臭いふれあいを嫌って
あたたかな陽射しに向かって
人はまた歩き出す
春の陽だまりの中


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静か

2024-03-30 05:14:22 | ポエム
もしもあなたが生まれてこなかったなら
わたしの人生はどんなだっただろう

もうすぐ桜の花が咲く季節
毎年繰り返される散り行く定め

人が集まるにぎやかさ
そんなまやかしから部屋に帰る

今日も夜明け前に目が覚めた
透明な窓を開けて見上げた星空
この町に住むすべての人が
眠ってる時間はとても静か

密やかに愛する時間は静か


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愚かなる者

2024-03-28 15:49:02 | ポエム
愚かなる者たちが
いい人と指さして群がる人がいた

小羊のような瞳
その彷徨える人生に苦難はつきもの

愚かなる者
若くして老人のように
疲れ果てたその人は
遊び暮らす夢を見ては
金持ちになる夢を見ては
美味いものを食して
綺麗に身を飾って
浮世離れの放浪癖と
誰も愛せない不毛

人生に疲れて
自分の世話を焼くのも疲れて
愛からもはぐれて

その夢追い人は
ただひとりの人生を放棄して
故郷からも離れて

無軌道な人生は
世を呪い嘆き疲れた人生は
今日も途方に暮れて

いまも途方に暮れて


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愛しのロージー

2024-03-26 08:49:54 | ポエム
隣り合って歩くだけで
知り合えそうな気がしてた

このごろのあなたの翳りは
明るい笑顔の裏の涙

悲しみをたずさえた横顔に
顎を少し上げた
凛としたあなただった

感傷なんて あなたには似合わない
泣かないで その深い悲しみに
なんの慰めも ただ泣いているあなたの部屋に
僕が訪れることができたら
肩も抱かずに
愛しのロージー

あなたの身の上に起きたことを
ひとつひとつ話して
僕はやさしい男じゃないけど
あなたを愛している

感傷なんて あなたには似合わない
泣いていて まだ若い人生に
なんの慰めも ただ泣いているあなたの脇で
僕が見つめることができたら
なにも言わずに
愛しのロージー


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24時間のドラマ

2024-03-25 16:43:54 | ポエム
3月の雨は心せつなくて
曇り空見上げて 傘をとじた

誰かを愛しても
誰かと傷つけあうだけ
わかっていても
愛さずにいられない

懲りたはずさ
24時間のドラマは退屈で
名女優の彼女も シャワーを浴びたら眠るだろう
雨音が窓の向こうから囁いてる
この恋が最後でもいいだろう

繰り返すだけの愛の営み
僕等の部屋のふたりの空間に
長い時間が横たわっている
彼女が口ずさむラブソング
こんな日がいつまでも続けばいい

悟ったはずさ
24時間のドラマは退屈で
名女優の彼女も デザートを食べたら眠るだろう
雨音が窓の向こうから奏でてる
この恋が最後でもいいだろう


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