ネコの太(たい)ちゃんがうちに来て、10年と3カ月になります。太ちゃんもそろそろ11歳、人の年齢だと43歳です。
先日、ネコの譲渡会に行って来ました。わたしの勘が働き、譲渡会前日にネットで譲渡会を知り、翌日、早速行って来ました。太ちゃんのためにも、お仲間がいたほうがいいかと考えてです。11日土曜のことでした。
会場に入ると、トラ猫ちゃんが目に入りました。場内を見まわし、トラ猫ちゃんを気に入り、1周してトラ猫ちゃんの前に来ました。ところが、トラ猫ちゃんが怯えてわたしに目いっぱい口を開いて「シャー」をするんです。可愛くない態度を取るんです。これは太ちゃんのときと違います。太ちゃんは当時生後6カ月、里親候補のわたしにアピールするために目いっぱいとても元気に遊んで見せました。トラ猫ちゃんはナーヴァスになって「シャー」を何度もしたんです。でも、「シャー」がとても勇敢でもありました。トラ猫ちゃんはちょっと垂れ目で生後7カ月、人の年齢だと2歳、不安というより怯えていて、わたしは「コワイ、がわかるのは賢い。「シャー」も勇敢だ」と思いました。
翌日12日日曜もネコ譲渡会が別の会場であったので、翌日もトラ猫ちゃんに会いに行くことにしました。1度会っただけでしたが、名前は「拓(たく)ちゃんがいいかな」と思ってました。勇敢で、「未開の土地を切り開く」という意味の「拓」という名前かな、と思いました。2度目の面会で立派なネコだと確信し、里親を申し出ました。申し込み用紙に書き込み、里親の条件を満たしていたので、23日木曜にうちに来る運びとなりました。
名前はわたしの中で「拓ちゃん」に決まってましたが、ネコ用3段ケージを買ってセットしたり、ケージをカーテンで覆ったり、ネコ用ベッドとネコ用ハンモックと、拓ちゃんを受け入れるのに、太ちゃんも「どうも誰か来る」と察したようです。太ちゃんが1番大事です。拓ちゃんも大事です。23日が早く来るといいな、と待ち遠しい気持ちでした。
昨日23日午前10時、拓ちゃんがやって来ました。譲渡会の担当の方が、「ちょっとずつ、慣れてくるまで5日間はカーテンを閉めてくださいね」とおっしゃってました。拓ちゃんが最初の縄張りのケージに入ると、太ちゃんが拓ちゃんに早速興味を示してケージに近づくと、拓ちゃんも太ちゃんに歩み寄りました。太ちゃんが自分から拓ちゃんの鼻に鼻をつけた後、お顔を見合わせて太ちゃんが拓ちゃんに「シャー」をしました。太ちゃんは余裕なようです。拓ちゃんは尻込みはしませんが、太ちゃんに「シャー」はしませんでした。太ちゃん、優勢です。
太ちゃんは飼い主のわたしにここ半年ちょっとの間、ケンカがしたくて戦闘態勢。それでいて不活発で心配していたのです。戦闘態勢に入ると、わたしがチュールを与えてなだめます。おネコさん仲間が必要なのにな、と思ってました。ネコは本来、集会があります。太ちゃんは室内飼いで、多分ケンカにとても強い子なので、外に出せばボスネコちゃんかもしれません。気が強く筋肉質、四肢も長くて運動神経抜群です。敏感な拓ちゃんも太ちゃんの気のやさしさと気の強さと体格のよさを感じたんでしょう。ふたりの関係が上手くいく序章でしょうか。そのあと、太ちゃんは自分のダンボールの小部屋に入り、うぅー、とうなった後、またシャーをしました。
太ちゃんはジャパニーズボブテイルです。心が広く、やさしい。個性は穏やかでおっとりした癒し系の感情の出し惜しみのない、誠実なハンサムちゃん。男の子なのに気がめっぽう強く、内面も極めて強い、心が太いです。「太」の意味は「最も高貴な」です。太ちゃんが拓ちゃんに負けるわけはありません。太ちゃんはどうも、人の年齢だと41歳下の拓ちゃんのビッグ・ダディになる覚悟を決めたようです。年の離れ方だとビッグ・グランパでもいいくらいです。
大胆にして慎重な拓ちゃんは、太ちゃんを「キング・タイ」と意識したようです。拓ちゃんは1晩、一睡もできませんでした。太ちゃんと拓ちゃんが仲良くなるまでの過程を見守っていきたいです。