やあよのブログ

コツコツと詩を書いています。楽しく読んでいただければうれしいです。

卒業

2022-02-28 16:25:36 | ポエム
この町に生まれて この春卒業する
町はもう春本番 暖かな空気に 
冷たい風を感じている

卒業を機に あの子に 
恋を告げようかと思うけど
明日のことさえわからない 
だから自分の道を行って

この町を出ていく 自分の情を偽れず 母親を捨てるかのように
この町を出ていく 親の期待に応えず 父親を捨てるかのように
自分に正直にしか生きていけない僕さ
いつの日か帰ると約束できずに
ふと振り返る街中で つかめない夢をあきらめて
若さからの卒業

不安がよぎる 想い出を集めて
振り向けば 青春もなにもなかった
それでも 期待も夢も大きかった
こみ上げる笑みは甘い挫折 明日も教えてくれない失恋

ふと振り返る街中で 自分を見失ったりしないで
若さからの卒業

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シャッフル

2022-02-26 19:24:24 | ポエム
僕が18歳のころ 
可能性はいまよりずっとあった

あれからどれだけ経っただろう 
繰り返される忙殺の日々

僕の人生をシャッフルして
ランダムに組み替えて
定年後に卒業後の春を入れてみる
そうすると予感は末広がり
忙しすぎる社会生活を終えた後

最期には初恋の女の子と出会ったころを
入れてみる
想い出に浸って溺れて夢の中で
僕は死んでいくけど
また生まれ変われればいいなって
今度は生まれたばかりの赤ちゃんの気分で
死んでいくんだ

僕の人生をシャッフルさせると、こう


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ジプシーガール

2022-02-26 14:45:16 | ポエム
春を夢見るジプシーガール
もう今日は春本番の暖かさだというのに

彼を夢見るジプシーガール
もう彼は現在(いま)を生きて幸せだというのに

その場しのぎの噓をつき 金がなくてたまに人を騙す
人を遠ざける口ぶり こころに傷でもあるかのように

子ども子どもした愛らしさ なのに孤独がつきまとう
しあわせが遠のいても 不安がどんなに募っても

春を夢見るジプシーガール
もう彼は現在(いま)を生きて幸せだというのに

まだ彼を想う 自分しか愛する者もいない
もう未来は来ない 暗い部屋にうずくまり
いい人を想う 誰か幸せにしてと

誰か幸せにしてと


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2022-02-24 18:26:07 | ポエム
もう春になろうとしてる 弱気な空が翳ってく
明日になればまた笑って いつものように笑って

いつまでもこんな日が続くだろう 最後のときまで
年を受け入れて ある日突然 この世界から去るまで

まだ若いじゃないって 背中を押されるけど
そうですねって答えながら そう言う年上の人が心配そうで

ずっと信じてた なにかを信じてた 
なにがあっても怖くない
ずっと笑っていよう ずっと信じていよう
そうしている間に 時が来る めぐる季節よ

わたしがこの世界から去るのは これから数10年後
それまでの間に どれだけのことができるでしょう

ずっと生きていたい ずっと生きていよう
こうしている間に いつか時が来る めぐる季節よ

いつか時が来る めぐる季節よ


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タイとネコのお城

2022-02-22 14:00:36 | ポエム
僕はネコのタイ
赤ちゃんのときにおうちに連れられてきてから今年9歳になる
僕がケンカ好きだからって、おうちから出かけさせてもらえない
この9年近くの間におうちから出られたのはたった数回
だからおうちが僕のお城 階段の昇り降りがだいすき

よそのおうちの子はパパとママに愛されてるらしいけど
僕のおうちはおにいたまとおねえたまと弟の僕の3人暮らし
どうもよそのおうちと事情が違うらしい
よその子はネコジャンプやネコパンチをよくするらしいけど
僕はネコジャンプはしないし、ネコパンチもおにいたまとおねえたまには負ける
なんでもこの町には18万匹も僕と同じようにおうちにいる子がほとんどなんだってね
それで僕はおうちにいることに納得したんだ

僕はおねえたまと母子のポーズでベッドで寝るのがだいすき
いっしょに寝るから「寝子」っていうんだよ
おねえたまへの僕からの愛情表現はぺろぺろ舐めることと甘嚙み
僕はおうちへきてから人用のトイレを観察したり、エアコンというものを知ったり、どうも電気?というものがあることを知っている
おかげで僕は暑い夏も寒い冬も快適
おにいたま、おねえたま、ありがとう

よその子のおうちもネコのお城なのかな
ずっとおうちにいるだけだから、僕はすっかりおうちの主(ぬし)
死ぬまでずっとおうちにいる
ずっとおにいたまとおねえたまの弟だよ

きっと長生きして、ずっとおにいたまとおねえたまの弟だよ
おにいたまとおねえたまが2本足で作業してるのを僕は座って眺めてる
おにいたまとおねえたまのおうちはタイが主(ぬし)のお城なんだ


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