最近テレビを見ていて思う。きっと年のせいだろうけど、どうも男性俳優というか、タレントの好みが変わってきたようである。若かりし頃は、二枚目、今で言うイケメン、背が高くてカッコいい男性が好みだったが、最近は単なる二枚目より個性的なオジサン俳優がいいと思うようになった。それも、昔は悪役でならした面々が、今はちょっとコミカルな役でドラマの脇を固めているのがいい。
蟹江敬三 ― 劇団青俳出身だけあって演技に重厚さを感じる。個性派俳優として知られ、渋い低音の美声を活かし、ドキュメンタリー番組のナレーションなどでも活躍している。どんな役をやらしてもいぶし銀のような光を放つ存在感を感じさせる男優である。
昨年放送された、名取裕子主演のドラマ「京都地検の女」で、主任検事といういかめしい役職にありながらコミカルな役柄がおもしろかった。こわもての顔に似合わないコミカルな演技を見せる意外性がおもしろいのかもしれない。
益岡 徹 ― 仲代達矢主宰の無名塾出身。いつ頃だったろうか、ずっと昔に斉藤由貴主演のNHK連続ドラマで、たしか老舗の若旦那役で出演していた。181cmの長身で、眉の太い、あごヒゲの剃り跡も青々と濃い、いかにも男性的な彼が、女形がかったシナや所作をするのがおもしろくて妙に記憶に残っていた。最近は蟹江敬三と同じく「京都地検の女」に刑事役で出演している。額は少しハゲ上がったが、ギョロっとした目とひげの濃い容貌は相変わらずで、加齢とともにいっそう個性的な存在感を感じさせる。
石橋蓮司 ― 日大芸術学部映画学科中退。昔は悪役専門で、犯人・極道役で多くの映画やTVドラマに出演し、いかにもワルといったその雰囲気が好きではなかった。が、2003年から1年間、あるコーヒーのCMで、米倉涼子・矢田亜希子・佐藤江梨子らのコミカルな上司を演じたのがおもしろかった。最近はあまり悪役が見られず、むしろ真反対の刑事役や、人情者の善人役が多く、意外とおもしろい俳優である。
最近は、NHKに青春ドラマ「バッテリー」で、主人公原田巧の祖父役を演じている。
大地康雄 ― 往年の名優・伊藤雄之助の付き人を経て、ニューヨークの俳優学校アクターズ・スタジオでレッスンを受けたそうである。映画俳優アル・パチーノやジャック・ニコルソンとは同期とか。シリアスな役からコミカルな役まで幅広く演じられる演技派である。ドラマ「刑事 鬼貫八郎」の、妻に頭の上がらぬとぼけた刑事役がおもしろくて好きである。
映画やドラマで悪役を演じて嫌われるのは、むしろ演技がうまいからであろうが、どうにもその印象から敬遠されがちであるのは気の毒である。が、そのワルの印象が強烈であればあるだけ、善人役やコミカルな役を演じることでその人の印象がガラッと変わり、新鮮に見えてくるから不思議である。
役者というものは、どんな役柄でも演じなければならない。個性のないただのイケメンや、親の七光りでポッと出てきた今流の若者タレントなどとは違い、やはりひと年とった俳優は経験からくる演技がものをいうのだろう。演技だと分かっていても、つい引き込まれてその気にさせられる。そういう「味のある役者」は、ご面相なんてどうでもいいのである。
蟹江敬三 ― 劇団青俳出身だけあって演技に重厚さを感じる。個性派俳優として知られ、渋い低音の美声を活かし、ドキュメンタリー番組のナレーションなどでも活躍している。どんな役をやらしてもいぶし銀のような光を放つ存在感を感じさせる男優である。
昨年放送された、名取裕子主演のドラマ「京都地検の女」で、主任検事といういかめしい役職にありながらコミカルな役柄がおもしろかった。こわもての顔に似合わないコミカルな演技を見せる意外性がおもしろいのかもしれない。
益岡 徹 ― 仲代達矢主宰の無名塾出身。いつ頃だったろうか、ずっと昔に斉藤由貴主演のNHK連続ドラマで、たしか老舗の若旦那役で出演していた。181cmの長身で、眉の太い、あごヒゲの剃り跡も青々と濃い、いかにも男性的な彼が、女形がかったシナや所作をするのがおもしろくて妙に記憶に残っていた。最近は蟹江敬三と同じく「京都地検の女」に刑事役で出演している。額は少しハゲ上がったが、ギョロっとした目とひげの濃い容貌は相変わらずで、加齢とともにいっそう個性的な存在感を感じさせる。
石橋蓮司 ― 日大芸術学部映画学科中退。昔は悪役専門で、犯人・極道役で多くの映画やTVドラマに出演し、いかにもワルといったその雰囲気が好きではなかった。が、2003年から1年間、あるコーヒーのCMで、米倉涼子・矢田亜希子・佐藤江梨子らのコミカルな上司を演じたのがおもしろかった。最近はあまり悪役が見られず、むしろ真反対の刑事役や、人情者の善人役が多く、意外とおもしろい俳優である。
最近は、NHKに青春ドラマ「バッテリー」で、主人公原田巧の祖父役を演じている。
大地康雄 ― 往年の名優・伊藤雄之助の付き人を経て、ニューヨークの俳優学校アクターズ・スタジオでレッスンを受けたそうである。映画俳優アル・パチーノやジャック・ニコルソンとは同期とか。シリアスな役からコミカルな役まで幅広く演じられる演技派である。ドラマ「刑事 鬼貫八郎」の、妻に頭の上がらぬとぼけた刑事役がおもしろくて好きである。
映画やドラマで悪役を演じて嫌われるのは、むしろ演技がうまいからであろうが、どうにもその印象から敬遠されがちであるのは気の毒である。が、そのワルの印象が強烈であればあるだけ、善人役やコミカルな役を演じることでその人の印象がガラッと変わり、新鮮に見えてくるから不思議である。
役者というものは、どんな役柄でも演じなければならない。個性のないただのイケメンや、親の七光りでポッと出てきた今流の若者タレントなどとは違い、やはりひと年とった俳優は経験からくる演技がものをいうのだろう。演技だと分かっていても、つい引き込まれてその気にさせられる。そういう「味のある役者」は、ご面相なんてどうでもいいのである。
テレビは毎日見ますから演技力がたしかなものでないと視聴者の目には耐えられません。
おっしゃるとおりです。
いい役者のドラマを見ると感動しますね。
テレビ大好きのミーハーですが、つまらない番組では必ず居眠りしてます。
でも、いい番組では絶対眠くなりませんね。
最近は映画を見ることがなくなって、テレビばかりですが、若者向けの番組ばかりでついてゆけなくなりそうです。