ガンジス・河の流れ

インド・ネパール。心の旅・追想

ジャンキーの旅      薬物後遺症と心の傷・・・42

2012-07-18 | 3章 デリー中央精神病院・入院記録
   12月22日(金)(入院して19日)

 体調が良くないのは分かるけど、もう少し状況を良く考えてくれよ。明日23日~25日まで大使館は休館になる。年内に大使館が通常勤務をするのは26日~28日の3日間だけだ。その間に退院する事が出来なかったら年明けの1月5日までの入院が確実になる。あと2週間もこの病院に足止めされるなんて、思っただけで本当に頭がおかしくなりそうだ。症状の回復は65パーセントぐらい、欲しい薬は痛み止めと睡眠薬だ。退院したインド人のように通院しても良い。インド人の話では食事なしの大部屋で、1日の入院費が千ルピーの請求だったらしい。ぼくは特別個室だからもっと高い金額になる、無駄な出費だ。大使館が開いている最終日の28日の退院でドクターの許可を得なければならない。
 午後、事務室へ行った。
「大使館のBさんへ電話をしたい」
シスターは迷っている。ドクターの指示がないと勝手に出来ないのかもしれない。
「Bさんと大切な話しがある。電話を掛けなさい」
ぼくの強い態度にシスターは受話器を取り上げた。
Bさんは電話に出てくれた。だが彼にとって好ましい電話ではない様子が電話口から感じられる、だがぼくは引くわけにはいかない。年内の退院についてはドクターから良い感触を得ている、それと退院後のぼくの計画について話したい事があると伝えた。
「退院後のぼくの計画」
この言葉はBさんを動かした。26日の面会の約束を取り付けた。Bさんの面会まで後3日ある、その間に逃亡計画を作り上げなければならない。
コメント
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