たすくの空中散歩

千葉県我孫子「石臼と麦」店主、相澤たすくの農作業や工作や
日々の一喜一憂を記録していきます。

雪とカンカラ三味線づくり

2011年02月15日 22時58分51秒 | 一喜一憂



雪だー!!!

ということで、今日は雪がたくさん積りました。
だけど天気はとっても良くて、雪がキラキラと光って良い感じでした。


僕の畑もこんな感じです(写っている全部が僕の畑じゃないです)。

まるで雨が降らなかった冬が終わって、気づけば道端に雑草がわさわさと生えてくるようになりました。

どうやら土に生命力が戻ってきたようです。そろそろ畑仕事も再開でしょうか?
何の種を植えるか考えるのはとっても楽しいです!


さて、そんな雪日和、今日もカンカラ三味線をつくりました!



これは前回の写真です。家からすぐの市営工房にて、棹の部分の加工を工房のスタッフさんが手伝ってくれました。ごっつい機械!この扉から先はスタッフ以外立ち入り禁止です。


おおまかに切ってもらった棹を『サンダー』という大げさな名前の電動やすりで形づけていきます。
地道にやれば手作業でもできますが、ここは時間短縮作戦でガンガンいきます!


三味線の棹っぽくなってきました!?


前々回あけておいたカンカンの穴も形を整えます。
鉄やすりでこするとすごい音!家では無理でした。


装着!!かんからシルエット完成!!


と、ここからが今日の写真です。
今日は一番の難所、『カクライ』の制作です。
カクライとは、ギターでいうところのペグの部分。ようは『糸巻き』ですね。

ギターでは弦が緩まないようにギヤ式になっているのが普通ですが、ふと気づいてみると、三線も二胡も馬頭琴もヴァイオリンも、木の摩擦の力だけで弦の張力を保つ楽器の方が実はずっと多いのです。

それだけに、この部分の出来は楽器のクオリティに直接かかわってくる大事な部分です!

と、上の写真は父が「試しに作ってみた」という試作品…うお!売ってるやつと同じだ!
(父はすでに馬頭琴やら、ギターやらいろいろ楽器を作っています)
この見本を参考に、ひとつひとつ手ほどきを受けながら作業します。


まず、角材を所定の寸法に切り分けます。


センターのラインを描き込み


逆側には4mmの円を描いておきます


と、さらに先ほどのセンターのさらにセンターにしるしを入れて、角材を先細りにしていきます。このことを業界用語で「テーパーをつける」というそうです。


このようにカンナで削っていきます。
手前の方だけ削るために手前の方にだけ力を入れます。完成のイメージが大切。Imagine all the カクライ。

 
さらにテーパーをつけたカクライを八角形に整えます。


さらに先っちょだけ小刀とヤスリで丸く整えます。(写真無かったので家で完成品を撮影)


これが三線用の弦。ナイロン製です。弦も身の回りのもので調達したかったのですが、とりあえず最初ということで一番一般的なものを購入してみました。

ちなみに、プロの三味線奏者とかは昔ながらの絹の糸を使ったりするそうなのですが、一番細い弦は何と一曲ごとに変えなくてはならないほど繊細なのだそうです!(余談:僕もエレキギターを弾いていたころは一曲弾くだけで弦が2、3本切れてたので、こんなものは楽器ではない!と布団にギターを投げ置いてエレキギターを諦めました。)


カクライの先に弦を通す穴を開けて、とりあえずカクライの完成です!
やった!売ってるやつっぽくできた!(一人でやったらこうはいくまいが…)


さて、こんどはカクライを差し込む穴を開けます。
ドリルで少しずつ穴を大きくしていって…


ここで登場する秘密兵器!その名もリーマー!変な名前です。


リーマーで穴をぐりぐりやることで、テーパーのついた穴を作ることができます!
カクライを差しこみつつ、少しずつ微調整…


出来た―!!三味線だーかっこいいー!!


なんとか日が暮れる前にここまで完成しました

 
さて、家に帰って、歌口(ウタクチ。糸巻きから伸ばした弦を浮かせる部品。ギターで言うところのナット)と、駒(ウマ。カンの上で弦を支える部品。ギターでいうところのサドル)と、糸掛け(本体下部の弦を結ぶとこ。同居人に作ってもらいました。)を仮付けして弦を張ってみました。


すると、あらあら、弦がカンカンに触れてしまいました。どうやら棹を差す穴の位置が低すぎたようです。
これは失敗!もう一度カンを拾ってきて後日再チャレンジです!!

と、さて、ここまでだと、実はカンカラ三味線づくり、というよりはカンカラ三線づくりなのです。

大陸の三弦(サンシェン)が、沖縄三線(サンシン)を経て本州に伝わってきたことで、それまでには無かったある独自の機構が追加されることになります。
そして、三味線の三味線たる由縁はそこにあるわけなのですが、はたしてその機構をうまくカンカラで再現できるのかどうなのか?

この後もお楽しみに~


*かなりとばしとばしで書きましたが、作り方を詳しく知りたい方はコチラをどうぞ↓

三線おやじの独り言ブログhttp://sanshin-oyaji.blog.so-net.ne.jp/archive/c15385252-1


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立春・日本の暦

2011年02月04日 23時57分47秒 | 一喜一憂

僕が旧暦の存在を知ったのは、自主企画イベント「富士山」のフライヤーづくりのためにヨースケさんの仕事場で打ち合わせをしていた時でした。

「たすくくん!旧暦は日本の文化の背骨だから知っておいた方がいいよ!」

と、訳も分からずカレンダーをいただいたのがはじまり。

それからしばらくして、僕もその重要さに気づき、インターネットで旧暦関係の事を調べているうちにLUNAWORKSの旧暦手帳と出会い、ダメもとでお願いしたところ、制作者の高月美樹さんは「富士山」への出演を快く引き受けてくださいました。

そしてそれからまたしばらくして、いろいろ考えているうちに、「これはもう畑をやらないわけにはいかぬ!」と思い立ち、千葉で農業生活するようになって、改めて旧暦が日本の風土で生きることの指標、生活の背骨であることを痛感した次第です。

特に痛感したのがお正月。

「これからいよいよ一年で一番寒い時期がやってくる!」という草木の枯れる時期にお祝いしているのが今のお正月、西暦のHAPPY NEW YEAR!!です。
本来の年明け、お正月とは、新しい命、眠っていた命が芽を覚まし「さあ、いよいよこれから春がやってくるぞ!!今年も一年頑張ろー!!」と、自然に気持ちの高揚する時期の『春の訪れ』のお祝いなのです。

そして月日とは文字どうり月と日(陽)のことだったんだなーと、当たり前のことに気づきます。
(西暦は、太陽の動きのみを元にしています)

その他、旧暦についての詳しくは、ヨースケさんのブログにて、とても分かりやすく、詳しく書いてあるので、ご興味のある方はそちらを是非ご覧くださいませ。

ヨースケ黙考:旧暦生活の十年http://youasa.cocolog-nifty.com/001/2010/01/post-e715.html


ヨースケさん手造りの旧暦カレンダーの表紙です。表紙を見ただけで、旧暦の基本的な構成、言葉の意味が分かるようになっています。


カレンダー本体はこんな感じです。
このカレンダーの完成度の高さに気付いたのはごく最近になってからです。
というか、まだまだ知れば知るほど気づくことがあると思います。


我が家ではこのように西暦と旧暦をハイブリットで使っています。


今年のLUNAWORKS旧暦手帳レギュラー版です。(写真だと美しさが伝わらないっ!)
この手帳は旧暦のダイアリーという枠を大幅に超えて、和文化手帳と呼べるものです。
ページをめくるごとに、日本について、自分について、自然について、いろんなことを発見できます。


今年の見返し(表紙の裏)は『重ね色』の図版です!

LUNAWORKSホームページhttp://www.lunaworks.jp/index.html

朝倉祥一(ヨースケさん)制作の旧暦カレンダー
http://www.tasukun.com/top.html
*ホームページ右下の「旧暦カレンダー」から無料でダウンロードできます。



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旧正月あけましておめでとうございます!!

2011年02月03日 23時49分00秒 | 一喜一憂

ついにやってきましたー!!こっそり日本の新年ですー!!春の到来ですー!!

というわけで、このブログでは何度も書いていますが、日本は明治6年に西暦を導入するまでは日本の風土に根差した、日本独自の暦を使っていました。
その日本本来の暦での年明け、本当のお正月が今年は今日、西暦の2月3日にあたります。

本来日本の新年は、春の訪れと共にあったのです。

そんな僕愛用の旧暦手帳と、僕に旧暦の存在を教えてくれたヨースケさんこと朝倉祥-さんの手造りの旧暦カレンダーをご紹介します。
旧暦カレンダーはなんと、誰でも印刷して使えるようにヨースケさんにご許可をいただきました!

今日はもう眠いので、また明日書きます。
おやすみなさいませ!

ヨースケさんお手製のスペシャル旧暦カレンダー
http://www.tasukun.com/top.html*ホームページ内の「旧暦カレンダー」から無料でダウンロードできます。

愛用のLUNAWORKS製旧暦手帳『旧暦日々是好日』
http://www.lunaworks.jp/index.html


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振り返り日記(1/1~30)

2011年02月02日 21時14分43秒 | 一喜一憂

(1/1)
今年は実家で母に教わりながら一緒におせちをつくりました。
美味しすぎて2日にして食べつくしてしまいました。黒豆やばい!!

こんなに落ち着いたお正月を過ごせたのも何年かぶりです。

(1/2)
近くのお寺に護摩(ごま)焚きというのに行ってきました。
車の免許を取っているので、交通安全祈願をしてもらいました。
終わった後に甘酒と煮玉子を食べられます。馬の耳に念仏?花より何とやら。


(1/8)
干し大根できました!


(1/8)
小学生の頃、お母さんを早くに亡くしてしまった、タクちゃんという子が転入してきました。
タクちゃんはとても変わった子で、きり絵が天才的に上手でした。
そのタクちゃんが、ある日土器をたくさん拾って教室に持ってきました。
まだまだたくさん落ちているというので、先生も一緒にクラスのみんなで神社の裏に土器拾いに行くことになりました。

僕の記憶ではほんとに「拾い」というくらいにそこらじゅうに落ちていて、掘ればもっと出てきました。

そうやって集めた土器を庭の手洗い場の下に埋めました。
何十年もしてほんとの土器の発掘みたいに出てきたら楽しいだろうな、と考えたのかもしれません。

と、あの日の記憶はほんとだったのか?
確かめるためにずっと使っていない庭の手洗い場をどけて掘ってみました!


出てきた!!夢じゃなかったんだ!!
写真では分かりにくいですが、植木鉢の破片ではないんですよ(^_^;)

土器を拾ってたころは気づきませんでしたが、我孫子には古墳がたくさんあります。

我孫子がいつから我孫子になったのかは分かりませんが、利根川と手賀沼に囲まれたこの土地は大昔の人にとっても居心地の良い場所だったようです。

最近とある日本の古文書を読んでいるのですが、それが、誰がどこの新田開発をした、とか、誰が農業技術をいかに向上させたとか、もう3分の2は農業の話しで笑ってしまいます。

人間の暮らしぶりは表面的にはいろいろ変わったかもしれませんが、こと農業に関しては縄文や弥生の時代から何にも変わっていないようです。

自分が今、太古の人々と同じ場所で同じように農業をやって暮らしているのだと思うと感慨深いものがあります。

土器を見ていると、何千年という時の流れも同じ一瞬の中にあるかのような気になります。


(1/12)
秋に一度収穫してから、ずっと音沙汰なかったしいたけ栽培キットに2本だけ生えてきました!気温が低いうちは菌が繁殖しにくいそうです。きのこってどうしてこんなにかわいいのでしょう?


(1/15)
我が家御用達の近くの農産物直売所「わくわく広場」にとても興味をひかれるお餅のシリーズが売っていました。
「古代米」「よもぎ」「玄米」「あわ」と「きび」といろいろあって、それぞれとっても美味しいです!三楽製菓いい仕事してます!

『三楽製菓』ホームページhttp://park1.wakwak.com/~omochi/index.htm


(1/15)
市営の工房に迷い込んできたメジロを父が捕まえました。
野鳥を握れるなんて滅多にない!?羨ましい…。(その後ちゃんと野に放ちました)


(1/16)
朝玄関を開けたらびっくり!雪景色!




そんな中、日本最大規模の骨董市、世田谷ぼろ市に行ってきました!
早朝に行ったので最初はこんなにまばらな人だったのですが…

 
そのうちあっというまに歩くのも大変なほどの人だかりになりました!


着物を2着ほど買いました!すんごく気に入ってます。*散らかった部屋で撮ったので、写真加工してあります。
それにしても、風が強くて冷たくて、今冬一番の寒さを体験しました!


(1/25)
前々から作りたかったカンカラ三線を作りはじめました。
もともとは、終戦後の物不足のなかでも唄を忘れなかった沖縄の人達が、ありあわせのもので三線を作ったのがはじまりだそうです。


(1/26)
憧れてた西新宿のカレー屋さんに行ったついでに、都庁の展望台に上ってみました!
なんだかよく出来たジオラマみたいでした。


と、一月を振り返ってみて分かるように、すでに畑はな~んにもすることがありません。
雑草すら枯れてゆく、これが冬なんだなーと身を持って体験しました。

そして、今日は旧暦大晦日。

もうすぐ春がやってきます!!


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