「わが家でつくるこだわり麹」を参考に、麹を育てる部屋=『麹室(コウジムロ)』のコンパクト版、『麹箱』をつくってみました。表紙写真左下の↑これです。
途中まで写真を撮っていなかったようで、制作過程がかなりはしょられていますが、まずは杉板を張り合わせて箱をつくります。
写真は表面を磨いた後、塗料を塗っているところです。
塗料には、父所有の『キヌカ』という、米ぬかを使った自然塗料を使わせてもらいました。
なるべく菌達に住み心地の良い環境を、ということで、なんとなく箱の内側は無塗装にしました。
杉材は安くて、軽くて、加工しやすく、匂いも良くって好きなのですが、「反り」がどうしても出てしまいます。
しかしながら、麹箱は保温効果が無くては困るので、隙間ができないようにきれいな箱をつくるのには随分と苦労しました。
ちなみに、木と木の繋ぎ合わせには、基本的にダボ(木の釘みたいなもの)を使っています。
金物は時間と共に弱くなるし、後でばらして捨てる時にもかさばるので、特に必要無い場合には、なるべくネジや釘には頼らない方向で、ものづくりしています。
麹を育てる容れ物、『麹蓋(コウジブタ)』の制作です。
こちらも杉材ですが、箱をつくった時のよりかはいくらか値の張るものを使ったので、綺麗に製材されていて使いやすかったです。
加熱にはこたつのヒーターを使います。春にこたつを買う客もめずらしいでしょう。リサイクル屋で1000円程でした。
もともとこたつに付いているサーモスタット(温度調節つまみのところ)につながっていた配線を、今回オークションで手に入れた、温度が細かく設定できるサーモ(ロバートショウ製)に繋いでいます。
直接だと、麹蓋の温度が急激に上がってしまうので、すのこを敷いて…
麹蓋を置きます。
最大5枚入る計算です。
箱の蓋は、一度に全部開くと温度が下がってしまうので、3つに分かれています。
温度計は爬虫類飼育用のもので、ホームセンターで2000円くらいでした。
センサーがコードで伸ばせて、温度と湿度と、それぞれ最高値と最低値を記憶してくれます。
サーモスタットは端子が丸出しで危なかったので(100V電流通ってます!)…
木をくりぬいて蓋をつくりました。
試運転。
サーモを30度にセット。
すると温度計が30度を差した瞬間に、ヒータのスイッチが切れました!
正確な動作にびっくり!!
この後、麹箱は麹づくりだけでなく、酒まんじゅうを発酵させる為のホイロとしても大活躍してくれて、今の生活には無くてはならないものになっています。
麹箱の作り方について、詳しくは永田十蔵さんの本をご覧くださいませ。
<余談・使用上の注意?>
この箱を使って甘酒も作れないかな~と思って、わざわざ高い温度設定のできるサーモを買ったのですが、温度設定50度(甘酒は55~60度くらい必要)にしたら、しばらくして、箱から煙が出てきました…。
今はファン付きのヒーターにしてあるので大丈夫かもですが、ご利用の際には設定温度は30度前後にして、慣れるまでは箱から目をそらさないようにしてください。