先日は、家族3人+じいじ(私の父)と、群馬県は館林市の日清製粉ミュージアムに行ってきました。
販売をお休みしてまで、この日にミュージアムに行ったのは、製粉ラボ教室をやっていたからです。
実際の製粉工場の稼働の様子は見れないのですが、ミニチュアの模型でロール製粉の様子を見て触って学べるのです。
ちなみにロール製粉とはなんぞや?
我々地球人の製粉の方法には、今のところ大きくわけて、近代式の「ロール製粉機」を使う方法と、太古の昔から変わらない「石臼」での製粉法があります。
石臼での製粉はとってもシンプルで、石臼で挽く→ふるいにかける→残ったものをもう一度挽く→ふるいにかける→完成、みたいな感じです。
これは長い年月、人類にとって最もコンパクトで効率のよい製粉方式でしたが、人類には大きな夢がありました。
それは「真っ白い小麦粉を使ってみたい!!」でした。
これは主にパン食の西洋での話ですが、ふすま(外皮)が少ないほど、ふっくらと食べやすいパンが焼けたのです。
ところが石臼での製粉では、外皮も一緒にすり潰すため、ふすまを分離することは事実上不可能でした。
その不可能を可能にしたのが、『ロール製粉機』という世紀の大発明でした。
この製粉機は、対になった2本のギザギザのついた回転数の違うロールが内側に向かって回転し、そこを抜けた小麦がすり潰されるしくみです。
隙間を通り抜けた小麦がすり潰されるのは石臼と一緒ですが、その隙間を微調整できること、すり潰される時間が一瞬であること、により、外皮を細かくせずに潰すことが可能になったのでした。
そこに『ピュリファイヤー(比重と風でふすまを分離する機械)』というもう一つの大発明が加わり、ついに、人類の夢であった「真っ白い小麦粉を使いたい!!」が実現したのです。
しかしながら、もちろん弱点はあります。それは、何より設備が超大型、複雑化する、ということです。
下記のサイトなど見ていただければわかるのですが、たかだか小麦粉を白くする為に(それだけじゃないけど)、人類はここまでやれるのか、と畏敬の念をいだき、普段の小麦粉を食べる心構えも変わることでしょう。
木下製粉ホームページより『小麦粉のできるまで』https://www.flour.co.jp/knowledge/flourmilling/
※他にも木下製粉さんのホームページは製粉の歴史とかいろいろマニアックな内容がぎっしりです!!
「製粉産業は、世界最古の産業であると同時に現在まで延々と続いている、最長の産業でもあります。」の言葉に感動(泣)。
かくして暮らしに最も身近な食べ物の一つである小麦粉をつくる仕事は、各家庭や街の粉屋からは離れ、どこか遠くの大きな会社の巨大な工場でつくられるもの、になったのです。
そうして時代は巡り、世間の小麦粉が白一色になるところまでいくと、今度は「やっぱり全粒粉も食べたい」などと言い出すのですから、まったく人類ときたら…。
さて、製粉ラボ教室の模型や小麦の説明は、この超複雑な近代製粉の工程ひとつひとつがとてもわかり易く体感、学習できます。ミニピュリファイヤーの素晴らしい稼働再現度には感動しました!!
気になる方は、ぜひ遊びに行ってみてくださいませ。
教室終了後、展示スペースに入ると、新旧ロール製粉機と、新旧シフター(篩機)の実物がお出迎え!!
レトロな旧型機に大興奮!!シフターに至っては木製の枠でできていて、いきなり現代の最新式をみると雲の上すぎて実感の湧かないものも、順を追ってみていくと、一歩づつの技術の積み重ねで今があることがよくわかります。
本館は、創業者の正田貞一郎氏の生い立ちやエピソードなどなど、ボリュームたっぷりの展示や動画、とても全部は見きれませんでした。
入り口横の、おしゃれな石臼の枯山水。
製粉への愛のぎっしりつまったミュージアムでした。
日清製粉ミュージアムホームページhttps://www.nisshin.com/museum/main.html
P.S.製粉業の聖地である(?)館林は、美味しそうなラーメン屋やうどん屋がそこらじゅうにありました。今回はスケジュールがいっぱいいっぱいだったので、ぜひまた館林に来て、ゆっくり食べ歩きツアーをやりたいです。