たすくの空中散歩

千葉県我孫子「石臼と麦」店主、相澤たすくの農作業や工作や
日々の一喜一憂を記録していきます。

ハーベスターの自作に挑戦!<6>~はじめてのVプーリー注文

2018年08月29日 20時54分45秒 | 一喜一憂

←前回

(※今回と次回は、かなりマニアックな内容ですので、興味のない方は適当に読み流してください。あと、間違って理解している箇所などございましたらメッセージいただけると助かります。)

はじめてとなるVプーリーやシャフトの注文は、専門用語だらけ、わからないことだらけで大変でしたが、おかげさまで、今後設計をする上でのとても大事な勉強をさせていただきました。

<そもそもどこで買えるの?>

Vプーリーは、ジョイフル本田で、軸穴やキー溝も加工された完成品を売っているのを知っていました

↑Vプーリー

↑Vベルトも

が、実際Vプーリーを見てみると、ものすごい量売っていても、欲しいサイズ+欲しい軸穴の大きさの組み合わせとなるとなかなかないものなのです。
なるほど、未加工のものを購入して、お好みの加工をする、という販売スタイルが主流であることが納得できました。

と、いうわけでネットサーフィン。
さすがネットショッピング時代、ひとつのサイトから、機械部品に電子部品、シャツから工具、農業資材まで、何でも買えてびっくりしました!
数々そのようなサイトがある中で、シャフトを自社加工で自由に注文できて、プーリーも扱っている『MISUMI』というところがあったので、ここで必要なものを一括で注文すれば、問い合わせの際に話が通じていいだろう、ということでこちらにしました。

今回必要なのは、エンジン側『プーリー(小)』、脱穀機側『プーリー(大)』、こぎ胴の回転軸となる『シャフト』、こぎ胴とシャフトとを固定する『なんらかの部品』、こぎ胴の回転軸を支えるための『何らかの軸受』、というような感じでした。

<シャフトとこぎ胴を固定するには?>

まず、こぎ胴に通すシャフトをどう固定するか、そもそもどんなものがあって、何というパーツなのかもわからないところからのスタートでした。
調べていくとどうやら自分の欲しい部品は『シャフトホルダ』と言われているようです。
エンジンからの動力をこぎ胴に伝えるための重要なパーツ、なかなかの力がかかることが予想されるので、できればキー溝で止めたかったのですが…
 キー&溝ってこんなのです→ ※クリックで拡大

キー溝加工できるシャフトホルダー(ブラケット型)は、1個2000円くらい、こぎ胴の両側に必要になるとして、シャフトへのキー溝加工は、プーリー大小用2箇所、シャフトホルダー用2箇所の、計4箇所必要になります。そうすると、注文の際のジャンルが『回転軸』から『駆動軸』になり、高額になります。
どうしようかなー、と頭を抱えていると、ふと『シャフトホルダ(フランジ型)』というのが目に入りました。
一個1000円くらい、安い!何より部品の高さが20mmと低い!
限られたアルミ台車の上で無駄なスペースを少しでも減らしたいのでこれは助かります!
シャフトとの固定の仕方は、六角ネジで器具自体を絞り込む感じで、固定の力には不安があるけど、ダメもとでこちらにしてみました。
これなら、シャフトへの溝加工は、プーリの分の2箇所だけでよくなります。↓



ちなみに、キー溝の大きさはシャフトの太さによって、規格で決められています。
ここでやっかいなのは、新JIS規格、と旧JIS規格の2通りがあるということ。
軸20mmの場合は、「新JIS」で6mm×6mm、「旧JIS」で5mm×5mm。
同じエンジンの型番でも、製造年で、規格が新旧入り交じっていることもあります。
今回エンジンの軸が旧規格であることに気づかずに新規格で発注してしまいました。回転が一方向のため、事なきを得ましたが…要注意です!

<プーリーの種類と追加加工の指定>

さて、ベルトを通すプーリーはどれにしたらよいのだろう。
今までもプーリが必要になるときがあって、カタログをもらったりしていたのですが、種類だけでいろいろあって、なにがどう違うんだか、もうわけがわからない感じでした。
初めて見ると、その種類の多さに目が回ってしまいますが、順に理解していけば、自分に必要なものが絞れます。

まず、メーカーの違いです。
今回見た感じでは、ノーブランドを除けば、『鍋屋バイテック(NBK)』、『カネミツ』のほぼ2択のように感じられました。どちらも国内の歴史ある専門メーカーです。何色の方が好き!とかで選んでも大丈夫かと?

次にプーリーのシャフトを通す穴ですが、軸穴タイプとカップリングタイプがあり、カップリングタイプは、軸穴加工が不要で、固定にキー溝加工も不要!というなんとも素晴らしい製品っぽいですが、高額なので、初心者である今回は通常の軸穴タイプにしました。

あと、Vプーリーに「JIS」と「標準」、とあります。
なんとなく「標準」の方を選んでしまいそうですが、「標準」は単位が「インチ」です。
わかりやすいmm単位の「JIS」にしました。

A型、B型、M型などあるのは、使うベルトの太さ(型番)に連動しています。
順に太く、丈夫になっていきます。今回はA型を選びました。
どのベルトを使うとよいかは、馬力や、回転数に関係しています。私はこちらのサイトの「ベルト設計支援ソフト」を使って選びました。→三ツ星ベルトホームページ

あと、カタログなどの写真をみると、プーリーの形状にいろいろなものがあります。
はて、いったいどれを選んだら?と思っていましたが、実際は径の大きさによって自動的に決まるものなので(小さいものは丈夫にするために、大きいものは軽くするために?)、気にしなくって大丈夫です。

使うプーリーを決めたあとの実際の注文の流れは、

→呼び径(≒プーリーの直径)を指定して
→溝の数を指定して
→形状は自動で決まるので
→追加工「あり」で
→キーの種類と溝の大きさ(新・旧)を指定して

次に軸穴の大きさを指定します。
今回は20mmなので、20mmで、と簡単に考えていましたが、
と、ここで、耳慣れない単語「軸穴公差」とはなんだ?

いろいろ調べてみたのですが、いまいち釈然としない。結局のところ俺はどうしたらいいんだ?
ここで、ちゃんとMISUMIなりに問い合わせればよかったのですが、公差について全くわかっていない素人が電話して、イチから説明してもらうのもなー、という気持ちもあり、こんなところかな?で選んでしまいました。
結果、これが大失敗!!

続く…
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「生いちご」販売終了のお知らせ

2018年08月19日 07時51分37秒 | 出品情報

先日お知らせいたしました新メニュー『生いちご』ですが、私の力不足により、品質を保ちながら安定提供することが難しく、販売を断念することにいたしました。
楽しみにして下さった皆様には、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。
また販売当日のご案内となりましたことを、お詫び申し上げます。

その他のメニューの販売は通常どおりです。
皆様のお越しをお待ちしております。
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2018かき氷あとわずか~生いちご登場!

2018年08月17日 21時43分05秒 | 出品情報

七草のかき氷販売は8月いっぱい。
あとわずかですが、スペシャルな新メニュー「生いちご」の登場です!!
我孫子のいちご農家さんのご厚意で、特別に分けていただいた苺を贅沢に使っています。
ぜひご賞味くださいませ。



<今後のかき氷販売スケジュール>

8/18(土)、19(日)、25(土)、26(日)

場所:水の館 我孫子農産物直売所あびこん駐車場
時間:12時頃~16時頃 ※荒天の際は中止の場合があります

詳細はコチラでご確認くださいませ→七草出店情報

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ハーベスターの自作に挑戦!<5>~脱穀部の設計

2018年08月03日 07時18分45秒 | 一喜一憂

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脱穀部のデザインや、寸法を取るために、どんな感じになるのか、プラダンで仮組みします。
大きいものを作るときには、模型を仮組みして実際のスケール感を見ないと、
設計図上ではバランスよくても、実際に作ってみるとなんか違う、ということにもなりかねません。その際、私は安価で加工容易なプラダンを使っています。



実際に脱穀しているところを想像しながら、投入口のデザイン、奥行き、こぎ胴の高さなどを決めていきます。

こぎ胴の軸の位置が決まったら、エンジンの軸の場所を大体決めて、その軸間距離で、動力伝達のプーリーが干渉しないか?ベルトがうまく回りそうか?を確認します。
以前、籾摺り機を電動化しようとしたとき、適当にやったら、べルトが滑ってうまく伝達できず、失敗してしまった苦い経験があります。

というわけで、プーリーのサイズ(減速比)を決めるために、必要なこぎ胴の回転数を出します。
果たしてどう決めようか、と思っているとコンバインや本物のハーベスターのこぎ胴の回転数についての情報が見つかりました。稲で毎分420~520回転,麦で550~600回転とのことです。

今回手に入ったエンジンの回転数が1800回転なので、3分の1程度に落として、500~600回転、つまり、プーリーの径をエンジン側に対してこぎ胴側を約3倍の大きさにするということです。
市販されているプーリーの最小直径が、54mmなので、3倍となるとなかなかの大きさと重さになります(大きいほうの重さ、なんと1.8kg!)。間をとって180mmのものにすることにしました。
(たまたま手に入ったエンジンが低回転タイプ(もともと2分の1減速済み)だったからよかったものの、通常タイプだったら、プーリーの数もベルトの数もそのためのスペースも、倍必要になるところでした…汗)

さて、このあと受注加工の、シャフトやプーリーの注文をするのですが、どちらも発注するのは初めてです。
特にプーリーは、でかくて重くて、実際に手にとってみるまで現物の感じが想像できないので、この先の製作は、プーリーが届いてからにします。
そしてこの注文作業こそが、今回の制作の中でも最大の難関だったのでした…。

続く…

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