今日も出張オペで、抜歯即時植立インプラント治療をさせていただきました。
歯根が咬合力負担過剰で割れてしまって、インプラントになる、と言う症例です。
やはり根管治療されていて、長く使われている歯は割れ易い、と思います。
歯を残したいなら、歯髄は出来るだけ取らない、と言うのが大事でしょう。
それには、虫歯にしないこと、なったとしても早期に発見して治療して置くこと、でしょう。
ところが、虫歯は初期の頃には殆ど痛みが出ません。
冷たいものが染みたり、甘いもので痛んで来ている時には、手遅れの場合も多くなります。
そう言う場合、歯髄を取らなければいけないのです。
取るにしても、出来る限り歯質を残す、厚みを保つ治療方法が、長持ちさせられる鍵になります。
どんな場合でも、介入は最小限がベスト、と言うことなのです。
今日のオペは、唇側の骨の喪失が相当に大きい為にその部位への骨造成GBR、歯茎再生手術と、色々とインプラント周囲への配慮を考えて行わなければいけませんでした。
それでも、患者さんが痛がられたり腫れたりされては可哀想ですから、そうならない低侵襲の手術を心掛け、綺麗に治るように処置しました。
骨の方も、歯根が割れている炎症が波及しているので非常に硬く変性しており、インプラントホールを綺麗に形成するのにも細心の配慮が必要でした。
全て事前の準備歯科用CTでの計画を細かく緻密に立案し、それをその通りに実行する、と言うことで可能になるものです。
手術が始まる前に80%は終了している、後は実行するだけ、それ位の準備があるからこそ、痛まない腫れない、だから怖くない低侵襲の手術が可能になるのです。
余りにも骨が硬過ぎるとかで出血が乏しい場合には、治りも悪くなって、患者さんが痛まれることがあります。
そう言う場合には、事前のCTの精査で分かっている骨髄のある方向へ出血を促す極小さい穴を開けて対応します。
何かがあっても、次その又次と対策をしっかりと練って置けることが、安全安心なインプラント手術が行える理由なのです。
今日のオペでも、計画通りに手術する為に細心の注意を払い行ったので、背中が汗だらけになりました。
でも、最終的に良い結果に出来たので、ホッとしています。
こう言う実に繊細な手術を行うのが常なので、私には沢山過ぎるインプラント手術はまず無理です。
今日のように丁寧に精密に美しく手術をすること、1人1回きりの手術で終わらせて差し上げるように心から願い、私はメスを持ちます。