齢を取る、高齢者になる。
身近な人が高齢者になって変わってしまう姿を見るのは、非常に辛いものだ。
生きていると誰もが必ずそうなって行く。
何時までも若々しく元気でいたいと思うけれど、やはり時間には勝てない。
結局、人は皆老いて、そして死んで行く。
一人又一人と親しくさせていただいて来た患者さんが高齢者になり、色々な状況下で入院されることになって行くことは、本当に悲しいが避けることは出来ない。
入院してしまわれると、どうしても患者さんの姿は入院患者さんそのもの、になってしまわれて、あの方がと言う悲しい気持ちが心の中に出てしまう。
仕方がないことなのだろうが、気持ちの中の動揺はある。
勿論、そんなことはおくびにも出さず、にこやかに面会させていただいて早く退院出来るように、とご挨拶して失礼をさせていただいた。
それは、患者さん自身も変わってしまった姿を余り見て欲しくないんじゃないだろうか、と言う私の側の心遣いがある。
これから超高齢社会になるに従って、入院される方、長く長く病院でターミナル過ごしそのままお亡くなりになられる方、生老病死は必ず起こる訳で、本当の患者さんの幸せな人生ってどう過ごしていただくことなんだろう?と考え込んでしまった。
身体が悪くなって入院とか、出掛けることが叶わなくなってしまう時、我々の業界は、そのことに関しては無力である。
しかし、残された時間の大切さ、少しでも生きていて楽しい、幸せである、と感じていただく為に、食の楽しみは大きな大きな生き甲斐になってくれるんじゃないだろうか。
口からちゃんと食べて栄養が取れること、は回復を早めることにもなるだろうし、又美味しいものを食べに行きたい、家に帰りたい、と言う気持ちになっていただけるんじゃないだろうか。
私がかつて関わっていた特老とかでは、義歯治療ばかりして来たが、食べれるようになった患者さんからは本当に喜ばれた。
中には、首が座ってしっかりして来て、背筋が伸びて、起き上がれるようになり、遂には歩けるようにまでなる、と言う素晴らしい経験をさせていただいたことも何度かある。
そう言う貢献の仕方が我々の業界の出来るもの、なんだと思う。
生きている限り、人は栄養を取り続けて行かなければならない。
そこに、快適に好きなモノを気持ち良く摂取していただけるように出来ること、を我々は使命として頑張って行かなければ、と思う。
生老病死は避けられない定め、としても、如何に生きて良かった、と思っていただけるのか?に深く深く関わって行きたい。
又、今主に携わっている即時荷重インプラント治療を更に更に極めて、一日でも早く機能回復させて上げられるようにして、そこからの人生を心の底から楽しんでいただけるようにさせていただきたい、と強く強く思う。
何年も掛かるとか、は本当にいけない、と思う。
今日は色々とあって、又色々と考えさせられた。
早く楽に快適に治して差し上げること、をもっともっと極めたい、と強く強く思った。