のり屋のバーサン日記

落語に親しみ、犬猫と和む…
何でもないけど、めでたい毎日

国芳ファンだというのに

2012-02-03 20:26:35 | 大好きな絵
まだ行けてません…

六本木ヒルズで開催されている、
【没後150年 歌川国芳展】
の話です。

六本木までゆっくり出かける時間が、
なかなか取れず…

あと、会場の森アーツセンターギャラリーが
「52階」
というのがネックで

もともと高所恐怖症気味だし。
年が改まったとはいえ、
首都圏もときどき地震があるし。
首の不調のせいで、
震災前から「地震酔い」してた身だし…

そんな葛藤を抱えながら、
数年前に江戸東京博物館で見た、
【ボストン美術館 浮世名品展】の図録や、
手持ちの浮世絵に関する書籍で、
国芳の作品を眺める日々。

多彩な作品を残している天才・国芳ですが、
個人的には美人画がいちばん好きです。

どこが好きかって、
ズバリ「半襟」
(かなりピンポイント

ほかの絵師の美人画とは違う、
独特な半襟なのです。

キッチリしつつ、ふんわり。

マフラーぽくて、着物なのに洋風?
(【ボストン美術館 浮世絵名品展】図録より、
 《梅の魁(さきがけ)》)

国芳のファッション・イラストレーターぶりがわかる。
国芳本人も、そうとうの洒落者だったに違いない。

ほれ。キッチリしてるけど、ふんわり。

カッチョええ~♪
(『江戸猫 浮世絵 猫づくし』東京書籍刊。
 《鏡面美人尽くし 娘と猫》個人蔵)

それらの、
「キッチリ&ふんわり」を見ていたら、
ある発見が

作品の片隅に、
「彫工 房次郎」
と刻まれているのですよ!

《梅の魁》


《鏡面美人尽くし》


【ボストン美術館…】の図録解説によれば、
フルネームは…

松嶋房次郎。

国芳の美人画のなかでも、
全身像ではない、
バストアップ(胸から上)画を担当していた
彫師だそうだ。

髪の生え際など、
繊細な彫りを得意としていた人らしい。

国芳からの信頼も厚かったんだろうなぁ。
わざわざ画面に名前が残されてるくらいだから。

(ちなみに、美人画でも全身像や、
 武者絵、風景、動物モノの作品には、
 彫師名まで刻まれていない)

そんなこんなで、
国芳の半襟に伴い、
彫工・松嶋房次郎にまで興味が広がってしまった。

やはり行くべきか、
歌川国芳展。

たとえ52階でも…

会期終了まで、残すところ1週間。
地震がないことを祈りながら。。。

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