のり屋のバーサン日記

落語に親しみ、犬猫と和む…
何でもないけど、めでたい毎日

『大工調べ』を聴きくらべ(落語は音楽だ)

2012-05-02 20:40:34 | 落語の資料
先月、ドラマ『相棒』の再放送を見ていたら、
杉下右京(水谷豊)と米沢守(六角精児)が
古今亭志ん朝の落語CD『大工調べ』を
やりとりするシーンがあって…

ふと、思った。

そういえば、
志ん朝盤の『大工調べ』って
聴いたことなかったな。

自分的には、
『大工調べ』といえば柳家小三治
だったもんで。

偶然にも、その直後、
金原亭世之介独演会があり、
世之介師匠が昔、小三治師匠から習ったという
『大工調べ』を聴く機会を得た。

で、はじめて知った。

『大工調べ』にも、
古今亭流と柳家流があることを。
(無知ですんません

世之介師匠が同じ一門の志ん朝師匠に習わず、
わざわざ柳派の小三治師匠に
稽古をつけてもらったというのも興味深いし…

以来、
「古今亭流の『大工調べ』も聴け」って、
どこかから言われてるような気がして…
(って、どこからも誰からも言われてないけど

ついに、志ん朝盤『大工調べ』を買ってみました。
『相棒』にも登場したヤツね。
(極私的『初期の相棒&大工調べ』W祭りな日々

いちばんの聴かせどころである、
大工の棟梁のブチギレ啖呵。

疾走感のある小三治盤と違い、
志ん朝盤は合の手(?)のように、
大家のボヤキが入る。

正直、ちょっと調子狂う。
(って、大名人の名盤に対して、
 なんちゅう僭越な発言

結局、『大工調べ』における、
古今亭流と柳家流の違いなんて、
素人の自分にはよくわからないけど。

やっぱり自分的には、
聴き慣れた小三治盤が…

小三治盤『大工調べ』を聴いていると、
つくづく思う。

落語は音楽だ!

噺家には歌好きが多いようだし、
実際、そこらの歌手顔負けに歌のうまい人も多い。
当たり前だよね。

落語って音楽だから。

ちなみに、
小三治盤『大工調べ』の啖呵で、
いちばん好きなフレーズは…

「お兄ぃさんとお兄ぃさんのデキが
 少ぉ~しばっかり違うんだ」

の「少ぉ~し」と伸ばすところ

そこを聴きたくて、
長年、飽きずに小三治盤『大工調べ』を
聴きつづけている気がする。

それって、
大好きな曲の大好きなフレーズを聴くのと
同じ感覚。

40年前、中学生の頃、
はっぴいえんどの『風をあつめて』の
とあるフレーズが好きで、
毎日毎日、聴きつづけてた。

あの感覚と
まったく同じなんだな~

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする