のり屋のバーサン日記

落語に親しみ、犬猫と和む…
何でもないけど、めでたい毎日

イタ愛おしい世界『終点のあの子』

2012-05-26 12:43:40 | ひとりごと
出先で2時間ほど
時間をつぶす羽目に。

手近な書店で何の予備知識もなく買い、
カフェで読んだ文庫本。

『終点のあの子』柚木麻子・著
(文春文庫刊)

東京にある、
中高一貫の私立女子校を舞台にした、
少女たちの物語。

コワい!
スルドい!
でも面白い!!

ページをめくる手が止まらなくなった。

この小説を読んで、
非・女子校出身者や男性は、
こう思うかもしれない。

「私立の女子高って、
 こんなにドロドロしてるんだ…」

いや、それは違うよ
さすがにここまでは…

と言いたいところだが、、、

東京の中高一貫の私立女子校出身者としては、
ここに描かれるクラス内のグループ分けなど、
「あるある、わかる~」的、
当たらずとも遠からじ的、
似て非なる、非て似なる(そんな日本語ないか)、
身に覚えのある世界なのだった

センスも頭もいい、
一見、カリスマ少女。
恵まれた境遇を鼻にかけ、
周囲を見下しているうちに、
周囲から見放され、
おちてゆく。

それをザマーミロと思いながら
読み進める自分にもゾッとしたけど

最終章のラスト。
その少女がはじめて
なりふりかまわず弱さをさらけだし、
本当の友達を得つつある場面で、
素直にホッとしたことも確か。

なんなんだ、
この痛々しくも愛おしい世界は

巻末の解説によれば、
作者の柚木さんも
中高一貫の私立女子校出身とか。

だとしたら、多少なりとも、
自身の体験も反映させているだろう。

鋭敏な観察力、
ウラのウラまで見透かすような洞察力を
敬遠する同級生もいるだろうなぁ。
クラス会には行きづらいんじゃ…??

などと、
余計な心配をしてしまうほど。
大きなお世話ですね

自分の体験から言えば、
「女って怖ぇぇぇ~~」
いや、正確には「世の中には怖い女がいる~っ」
って、心底ビビったのは、
女子校時代ではなく、社会に出てから。
仕事の場、仕事の人間関係で、だった。
(ま、そこまで恐ろしい女には、
 10年に1人会うか会わないかだけど)

それに比べたら、
女子校時代のイザコザなんて、
可愛い可愛い!?

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